五郎左衛門清光(ごろうざえもんきよみつ)は、業物位列で「業物」、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」に位置づけられている刀工です。
五郎左衛門尉清光とは
五郎左衛門尉清光(ごろうざえもんのじょうきよみつ)は、室町時代後期(戦国時代)に備前国長船で作刀した「末備前」の刀工です。享禄から永禄初めごろまで活動し、とくに天文年間の年紀を持つ作に名作が多いことから「天文清光」とも呼ばれます。
系譜と経歴
銀座誠友堂の解説では、五郎左衛門尉清光は勝兵衛清光の子と伝えられています。同じ時期には源五郎・孫右衛門尉・彦兵衛尉・孫兵衛尉・与三左衛門尉など「清光」を名乗る刀工が複数おり、その中で最も腕前が高く、最高位に位置づけられるのが五郎左衛門尉です。同時代の名工与三左衛門尉祐定と並び称される存在で、サムライ日本の解説では赤松氏の抱え工として清光一派を率いたとも紹介されています。
作風の特徴
天文20年(1551年)の年紀を持つ刀の解説をもとに整理すると、次のような特色が見られます。
| 項目 | 特徴 |
|---|---|
| 姿 | 鎬造で鎬が高く、庵棟は低い。中鋒はやや鋭角 |
| 地鉄 | 板目に杢目が交じり、やや流れごころによく詰んで地沸が厚く付く |
| 刃文 | 大湾れ調に小互の目が交じり、刃中に足がよく入る |
| 帽子 | 湾れ込んで先がわずかに掃きかけて返る |
清光一派は直刃を得意としたとされますが、五郎左衛門尉には湾れや互の目の華やかな作もあり、地鉄の美しさにも定評があります。
鑑賞・購入のポイント
- 「清光」銘は同時代に多数の刀工がいるため、「五郎左衛門尉」の俗名が入っているかどうかが重要です。
- 天文年紀の作は特に評価が高いとされます。鑑定書と合わせて年紀を確認しましょう。
- 加賀の加州清光とは別の刀工です。
基本情報
| 刀工名 | 五郎左衛門清光 |
|---|---|
| 読み | ごろうざえもんきよみつ |
| 時代 | — |
| 国 | — |
| 代 | — |
位列
| 位列 | 位 | 備考 |
|---|---|---|
| 業物位列 | 業物 | — |
| 刀工辞典の位列 | 古刀・上々作 | 刀工辞典の時代区分:末古刀(寛正-文禄) |
位列から見る刀剣界での立ち位置
- 業物位列:「業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から4番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)
- 刀工辞典の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)
位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。
まとめ
五郎左衛門清光は、業物位列で「業物」、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」と位置づけられている刀工です。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。