大和五派の刀工一覧|31工を位列で整理

大和五派の刀工一覧
目次

大和五派の刀工をまとめて知りたい

大和五派には多くの刀工がいて、名前を覚えるのも一苦労です。この記事では、刀工データベースで大和五派の刀工と判断できる31工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。流派そのものの解説は大和五派とはをご覧ください。

結論:大和五派の刀工は31工。うち1工が作位の最上位です

31工のうち、業物位列にも載る刀工は0工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階にある刀工は1工です。個別の解説ページがある刀工は5工です。

大和五派の作風の傾向

大和五派全体の一般的な傾向です。個々の刀工によって異なります。

見どころ 傾向
姿(すがた) 鎬筋が高く、鎬幅が広い。当麻派には、切先が詰まった猪首切先(いくびきっさき)の姿が見られるとされる
地鉄(じがね) 板目肌に柾目肌が交じる。保昌派は全体が柾目肌になる「柾目鍛え」で名高く、尻懸派には「尻懸肌」と呼ばれる独特の肌合いがあるとされる
刃文(はもん) 中程度の沸(にえ)による直刃が基調。ほつれや二重刃など、刃縁に縦方向の変化が出やすい
帽子(ぼうし) 焼詰(やきづめ)や掃掛け(はきかけ)など、大和伝らしい帽子が見られる
茎・銘(なかご・めい) 無銘の作が多く、当麻派はとくに在銘作が少ないとされる。手掻派は「包」の字の銘で知られる

大和五派の位列の分布

刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、大和五派の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。

位列 第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 計
刀剣要覧 0 2 3 2 0 7
刀工辞典 1 10 14 6 0 31

流派の内訳

解説のある主な刀工

大和五派の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。

当麻国行

当麻国行(たいま くにゆき)は、鎌倉時代末期に大和国当麻(現在の奈良県)で活動した刀工です。大和五派の一つ「当麻派」を興した開祖とされ、大和伝の中でも相州伝に近い、沸の強い冴えた作風で知られています。生没年はわかっていません。

保昌貞吉

保昌貞吉(ほうしょうさだよし)は、鎌倉時代末期に大和国高市郡(現在の奈良県橿原市付近)で作刀した刀工です。大和五派の一つ「保昌派」を代表する刀工で、単に「保昌五郎」と呼ばれることも多くあります。国宝「桑山保昌」、重要文化財「大保昌」という二振の名短刀の作者です。

千手院行信

千手院行信(せんじゅいんゆきのぶ)は、平安時代後期の大和国の刀工で、大和五派のひとつ千手院派の祖と伝えられる人物です。

手掻包永(初代)

手掻包永(てがい かねなが)は、鎌倉時代後期の正応年間(1288〜1293)ごろに活躍した大和国の刀工で、大和五派の一つ「手掻派」の祖とされます。奈良・東大寺の転害門(てがいもん)の前に住んだことが、派の名の由来と伝えられます。通称は平三郎とされます。

尻懸則長

尻懸則長(しっかけのりなが)は、鎌倉時代後期に大和国(現在の奈良県)で作刀した刀工で、大和五派の一つ「尻懸派」の実質的な祖とされます。鎬寄りが杢目、刃寄りが柾目に流れる「尻懸肌」と呼ばれる独特の地肌で知られています。

大和五派の刀工一覧

刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。

刀工 代 業物位列 刀剣要覧 刀工辞典
当麻国行 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
保昌貞吉 — — 古刀・上々作(第3段階) 上々作(第2段階)
千手院力王 — — 古刀・上々作(第3段階) 上々作(第2段階)
千手院重弘 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
千手院重村 — — — 上々作(第2段階)
千手院義弘 — — — 上々作(第2段階)
千手院行信 — — — 上々作(第2段階)
当麻有利 — — — 上々作(第2段階)
当麻友清 — — — 上々作(第2段階)
当麻次有 — — — 上々作(第2段階)
手掻包永(初代) 初代 — — 上々作(第2段階)
浅古当麻信長 — — — 上作(第3段階)
保昌貞清 — — — 上作(第3段階)
保昌貞興 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
保昌貞真 — — — 上作(第3段階)
千手院道印 — — — 上作(第3段階)
千手院長吉 — — — 上作(第3段階)
千手院定重 — — — 上作(第3段階)
尻懸則長 — — 古刀・上々作(第3段階) 上作(第3段階)
当麻友光 — — — 上作(第3段階)
手掻包清 — — — 上作(第3段階)
手掻包守 — — — 上作(第3段階)
手掻包吉 — — — 上作(第3段階)
手掻包吉 — — — 上作(第3段階)
手掻包真 — — — 上作(第3段階)
千手院国長 — — — 中上作(第4段階)
手掻包元 — — — 中上作(第4段階)
手掻包俊 — — — 中上作(第4段階)
手掻包次 — — — 中上作(第4段階)
手掻包行 — — — 中上作(第4段階)
手掻包真 — — 古刀・上作(第4段階) 中上作(第4段階)

知っておくべき注意点

1. 流派の判定は、データの記載と刀工名によるものです。刀工名に流派名が入っている場合などから判断しており、実際の所属が異なる刀工が含まれる可能性があります。

2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。見方は刀工の位列とはをご覧ください。

まとめ:大和五派は、位の高い刀工から知りましょう

大和五派の刀工は31工います。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風を確認してみてください。流派の全体像は大和五派とは、五箇伝の中での位置づけは大和伝とはで解説しています。

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