相模の古刀の刀工、誰がいるの?
相模国(相模)は、古刀の時代に刀工が活躍した産地の一つです。この記事では、刀工データベースで国が相模、時代が古刀と記載されている23工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。
結論:相模の古刀の刀工は23工。うち4工が作位の最上位です
データベースに載る23工のうち、業物位列にも載る刀工は1工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階(第1段階)にある刀工は4工です。個別の解説ページがある刀工は8工です。
相模の古刀の位列の分布
刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、相模の古刀の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。
| 位列 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | 第4段階 | 第5段階 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 刀剣要覧 | 2 | 2 | 3 | 0 | 1 | 8 |
| 刀工辞典 | 4 | 1 | 8 | 6 | 0 | 19 |
業物位列では、良業物が1工です。
解説のある主な刀工
相模の古刀の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。
五郎入道正宗
正宗(まさむね)は、鎌倉時代末期から南北朝時代初めごろにかけて相模国(現在の神奈川県・鎌倉)で活躍した刀工です。相州伝を完成させた人物とされ、日本刀の名工として最も広く知られた存在です。詳しくは正宗の解説記事もご覧ください。
彦四郎貞宗
彦四郎貞宗(ひこしろうさだむね)は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて相模国で活躍した刀工で、名工五郎入道正宗の後継者として知られます。「相州貞宗」とも呼ばれ、正宗の相州伝を受け継ぎながら、より落ち着いた上品な作風を示しました。
相州行光
行光(ゆきみつ)は、鎌倉時代の末期に相模国(現在の神奈川県)の鎌倉で刀を作った刀工です。相州伝の創始者とされる新藤五国光の流れをくみ、あの正宗の父、あるいは兄弟子と伝えられる名工です。通称を「藤三郎行光」といい、「相州行光」とも呼ばれます。在銘作の年紀は嘉元(1303年〜)から建武(1334年〜)ごろまでとされ、まさに相州伝が形づくられていく時期に活躍しました。
新藤五国光
新藤五国光(しんとうご くにみつ)は、鎌倉時代後期に相模国(現在の神奈川県)で活躍した刀工です。在銘作には永仁元年(1293)から元亨4年(1324)までの年紀があり、鎌倉の地で相州伝の基礎を築いた人物とされています。のちの名工正宗の師としても知られます。
国広(新藤五)
新藤五国広(しんとうごくにひろ)は、鎌倉時代後期に相模国鎌倉(現在の神奈川県鎌倉市)で作刀した刀工です。相州鍛冶の事実上の祖とされる新藤五国光の子で、父と同じく短刀の名手として知られます。元亨4年(1324年)の年紀を刻んだ短刀が重要文化財に指定されており、鎌倉で作刀したことを銘で確かめられる貴重な刀工です。
秋広
相州秋広(そうしゅうあきひろ)は、南北朝時代に相模国鎌倉(現在の神奈川県)で活躍した刀工です。正宗・貞宗と続く相州鍛冶の正統を受け継いだ一人で、同時代の広光と並ぶ南北朝期の相州伝の代表的な刀工とされます。
広光
相州広光(そうしゅうひろみつ)は、南北朝時代に相模国鎌倉で活躍した刀工です。正宗の流れをくむ相州伝の刀工で、秋広と並んで南北朝期の相州鍛冶を代表します。刃全体に焼きが広がる「皆焼(ひたつら)」の刃文を盛んに焼いたことで知られ、伊達家伝来の「大倶利伽羅広光」や上杉家伝来の「火車切広光」の作者です。
相州綱広(初代)
初代綱広は、戦国時代に相模国で活躍した刀工で、小田原鍛冶の礎を築いた人物とされます。
相模の古刀の刀工一覧
刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。名前をクリックすると、各刀工のページを見られます。
| 刀工 | 代 | 業物位列 | 刀剣要覧 | 刀工辞典 |
|---|---|---|---|---|
| 五郎入道正宗 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 彦四郎貞宗 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 相州行光 | — | — | 古刀・最上作(第2段階) | 最上作(第1段階) |
| 新藤五国光 | — | — | 古刀・最上作(第2段階) | 最上作(第1段階) |
| 相州綱広 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 相州綱広(初代) | 初代 | 良業物 | — | 上作(第3段階) |
| 小田原相州康春 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 小田原相州康国 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 国広(新藤五) | — | — | 古刀・上々作(第3段階) | — |
| 秋広 | — | — | 古刀・上々作(第3段階) | — |
| 相州広正 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 広光 | — | — | 古刀・上々作(第3段階) | — |
| 相州広次 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 相州助広 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 相州綱広(三代) | 三代 | — | — | 上作(第3段階) |
| 相州綱宗 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 小田原相州元近 | — | — | — | 中上作(第4段階) |
| 相州広家 | — | — | — | 中上作(第4段階) |
| 相州広次 | — | — | — | 中上作(第4段階) |
| 相州国次 | — | — | — | 中上作(第4段階) |
| 相州綱家 | — | — | — | 中上作(第4段階) |
| 相州綱善 | — | — | — | 中上作(第4段階) |
| 綱広(永正) | — | — | 古刀・中上作(第5段階) | — |
知っておくべき注意点
1. 国名は、作刀地・出身地・受領名の国名などを含みます。「相模守」のような受領名の国名と、実際の作刀地とは別のことがあります。国名の現在の都道府県は旧国名一覧で確認できます。
2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。位列の見方は刀工の位列とはで解説しています。
3. 国が記載されていない刀工は、この一覧に含まれていません。資料によって国が書かれていない刀工がいるためです。
まとめ:相模の古刀の刀工は、位列の高い刀工から知りましょう
相模の古刀には、23工が位列に載っています。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風、代表作を確認してみてください。

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