山城の新刀の刀工一覧|18工を位列で整理

山城の新刀の刀工一覧
目次

山城の新刀の刀工、誰がいるの?

山城国(山城)は、新刀の時代に刀工が活躍した産地の一つです。この記事では、刀工データベースで国が山城、時代が新刀と記載されている18工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。

結論:山城の新刀の刀工は18工。うち2工が作位の最上位です

データベースに載る18工のうち、業物位列にも載る刀工は14工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階(第1段階)にある刀工は2工です。個別の解説ページがある刀工は8工です。

山城の新刀の作風の傾向

埋忠明寿は金工出身で新刀鍛冶の祖と仰がれ、堀川国広は新刀初期の大勢力である堀川派の祖とされる。いずれも山城(京都)を拠点に新刀初期を牽引した。

以下は産地全体の一般的な傾向で、個々の刀工によって異なります。

見どころ 傾向
姿(すがた) 堀川国広の姿は身幅広く反りが深めで、切先の伸びる豪壮なものとされる。
地鉄(じがね) 堀川国広の地鉄は小板目肌がよく詰むものから、板目肌が立ち心でザングリとした肌合いのもの(「堀川打ち」)まで幅があるとされる。
刃文(はもん) 埋忠明寿は直刃や湾れ刃を焼くとされ、堀川国広は初期(天正打)に末古刀風の互の目乱れが多く、京都定住後は相州伝を意識した湾れや互の目乱れも焼いたとされる。

出典:https://ja.wikipedia.org/wiki/埋忠明寿、https://ja.wikipedia.org/wiki/堀川国広

山城の新刀の位列の分布

刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、山城の新刀の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。

位列 第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 計
刀剣要覧 1 7 2 2 2 14
刀工辞典 2 4 5 1 1 13

業物位列では、大業物が2工、良業物が4工、業物が8工です。

解説のある主な刀工

山城の新刀の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。

信濃守国広

堀川国広(ほりかわくにひろ)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した刀工で、新刀期の幕開けを代表する名工です。京都の堀川一条に住んだことからこの名で呼ばれ、受領名から「信濃守国広」とも呼ばれます。多くの門人を育て、「堀川物」と呼ばれる一大流派を築きました。

堀川国安

堀川国安(ほりかわくにやす)は、江戸時代初期に山城国(京都)で活躍した刀工です。新刀の祖の一人とされる堀川国広の弟で、京都・堀川に集った「堀川一門」を代表する刀工の一人です。切れ味の評価でも「大業物」に数えられています。

出羽大掾国路

出羽大掾国路(でわのだいじょうくにみち)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて京都で作刀した刀工です。新刀の祖とされる堀川国広の門人で、作刀数が多く腕も確かなことから、国広門下を代表する刀工の一人とされます。80歳を超えてからの作も残る、きわめて長命な刀工でした。

越後守国儔

越後守国儔(えちごのかみくにとも)は、江戸時代初期に山城国の京都堀川で作刀した刀工です。新刀の祖とされる堀川国広の門人で、国広一門の高弟として、のちに大坂新刀の祖となる刀工たちを指導したと伝えられています。

越中守正俊(初代)

越中守正俊(えっちゅうのかみまさとし)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて京都で作刀した刀工です。美濃国関から京都へ移った「三品(みしな)派」の4兄弟の末弟で、名古屋刀剣博物館の記事では4兄弟のなかで最も優れていたと評されています。作域が広く、古刀と見まがうような作も残した器用な名工です。

伊賀守金道(初代)

初代伊賀守金道(いがのかみきんみち)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて京都で活躍した刀工です。美濃国関の刀工・兼道の長男で、兄弟とともに京都へ移って「三品(みしな)派」の礎を築きました。のちに金道家は、全国の刀工の受領(官職名を名乗る許可)を朝廷に取り次ぐ特別な立場を得ることになり、その出発点となった人物です。

丹波守吉道(京・初代)

丹波守吉道(たんばのかみよしみち)は、江戸時代初期の慶長から寛永ごろにかけて京都で作刀した刀工です。美濃国関の刀工・兼道の三男で、京都の「三品(みしな)派」を代表する一人です。刃の中に砂流しが簾(すだれ)のように連なる「簾刃(すだれば)」と呼ばれる独特の刃文を始めた刀工として知られています。

近江守久道

近江守久道は、江戸時代前期の山城国(京)で活躍した新刀期の刀工です。来金道(らいきんみち)の門人として京で腕を磨き、近江大掾、のち近江守を受領しました。

山城の新刀の刀工一覧

刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。名前をクリックすると、各刀工のページを見られます。

刀工 代 業物位列 刀剣要覧 刀工辞典
信濃守国広 — 大業物 新刀・最上作(第1段階) 最上作(第1段階)
堀川国安 — 大業物 新刀・上々作(第2段階) 最上作(第1段階)
越後守国儔 — 良業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
丹波守吉道(京・初代) 初代 良業物 新刀・上々作(第2段階) 上作(第3段階)
出羽大掾国路 初代 業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
越中守正俊(初代) 初代 業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
伊賀守金道(初代) 初代 業物 新刀・上々作(第2段階) 上作(第3段階)
埋忠重義 — 業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
丹波守吉道(京・二代) 二代 良業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
近江守久道 初代 良業物 新刀・上作(第3段階) —
堀川国幸 — 業物 — 上作(第3段階)
和泉守金道(二代) 二代 業物 — 上作(第3段階)
金四郎久道 二代 業物 新刀・中上作(第4段階) 中上作(第4段階)
綱広 — — 新刀・中上作(第4段階) —
城州法道 — — — 中作(第5段階)
法道 — — 新刀・中作(第5段階) —
徳友 — — 新刀・中作(第5段階) —
和泉守金道(初代) 初代 業物 — —

知っておくべき注意点

1. 国名は、作刀地・出身地・受領名の国名などを含みます。「山城守」のような受領名の国名と、実際の作刀地とは別のことがあります。国名の現在の都道府県は旧国名一覧で確認できます。

2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。位列の見方は刀工の位列とはで解説しています。

3. 国が記載されていない刀工は、この一覧に含まれていません。資料によって国が書かれていない刀工がいるためです。

まとめ:山城の新刀の刀工は、位列の高い刀工から知りましょう

山城の新刀には、18工が位列に載っています。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風、代表作を確認してみてください。

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