越中守正俊(えっちゅうのかみまさとし)の位列と基本情報|刀工データベース

越中守正俊(えっちゅうのかみまさとし)は、業物位列で「業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上々作」、刀工辞典の位列で「新刀・上々作」に位置づけられている刀工です。

越中守正俊(初代)とは

越中守正俊(えっちゅうのかみまさとし)は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて京都で作刀した刀工です。美濃国関から京都へ移った「三品(みしな)派」の4兄弟の末弟で、名古屋刀剣博物館の記事では4兄弟のなかで最も優れていたと評されています。作域が広く、古刀と見まがうような作も残した器用な名工です。

系譜と経歴

美濃国関の陸奥守大道(兼道)の四男として生まれました。文禄年間(1592〜1596年)に父や兄たちとともに京都へ上り、西洞院夷川に住んだとされます。兄には伊賀守金道、和泉守金道(来金道)、丹波守吉道がいます。慶長2年(1597年)9月12日に越中守を受領しました。

正俊の名は4代ほど続きました(二代・三代)。刀剣店の資料では、刀剣研究家の佐藤寒山が、仙台の刀工・国包の師として正俊に触れていることが紹介されています。

作風の特徴

項目 特徴
地鉄 流れごころのある板目。柾目が目立つ作はまれ
刃文 直刃、湾れ、箱乱れ、互の目など作域が広い
帽子 「三品帽子」と呼ばれる三品派特有の帽子

三品帽子は三品派に共通する見どころで、刀の先の刃文の形を見ることで一門の作と見当をつける手がかりになります。

鑑賞・購入のポイント

正俊は作風の幅が広いため、刃文だけで作者を判断するのは難しい刀工です。同銘が4代ほど続くため、初代の作かどうかは銘の書体と時代の姿から判断することになり、鑑定書の極めを確認するのが安心です。

基本情報

刀工名 越中守正俊
読み えっちゅうのかみまさとし
時代 新刀
国 山城
代 初代

位列

位列 位 備考
業物位列 業物 代はつるぎの屋。
刀剣要覧の位列 新刀・上々作 第22版
刀工辞典の位列 新刀・上々作 —

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 業物位列:「業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から4番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)
  • 刀剣要覧の位列:「新刀・上々作」——新刀の部に掲載された541工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「新刀・上々作」——新刀の部に掲載された478工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

新刀(慶長年間〜江戸中期)

新刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)から江戸時代中期ごろまでに作られた日本刀を指します。戦乱が収まって城下町が整えられ、刀工が各地の城下に集まって作刀するようになり、華やかな刃文の作も多く生まれました。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

山城の新刀の作風の傾向

埋忠明寿は金工出身で新刀鍛冶の祖と仰がれ、堀川国広は新刀初期の大勢力である堀川派の祖とされる。いずれも山城(京都)を拠点に新刀初期を牽引した。

以下は産地全体の一般的な傾向で、個々の刀工によって異なります。

見どころ 傾向
姿(すがた) 堀川国広の姿は身幅広く反りが深めで、切先の伸びる豪壮なものとされる。
地鉄(じがね) 堀川国広の地鉄は小板目肌がよく詰むものから、板目肌が立ち心でザングリとした肌合いのもの(「堀川打ち」)まで幅があるとされる。
刃文(はもん) 埋忠明寿は直刃や湾れ刃を焼くとされ、堀川国広は初期(天正打)に末古刀風の互の目乱れが多く、京都定住後は相州伝を意識した湾れや互の目乱れも焼いたとされる。

埋忠派と堀川派では作風が異なり、堀川門人は後に大坂・江戸などへ広がって各地の新刀の源流となったため、一括りにはできない。国広自身も時期により作風が変わる。

関連する刀工・ページ

同じ時代・同じ国(新刀・山城)の刀工

山城国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

越中守正俊は、業物位列で「業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上々作」、刀工辞典の位列で「新刀・上々作」と位置づけられている新刀の刀工です。山城国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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