出羽大掾国路(でわのだいじょうくにみち)は、業物位列で「業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上々作」、刀工辞典の位列で「新刀・上々作」に位置づけられている刀工です。
出羽大掾国路とは
出羽大掾国路(でわのだいじょうくにみち)は、安土桃山時代から江戸時代前期にかけて京都で作刀した刀工です。新刀の祖とされる堀川国広の門人で、作刀数が多く腕も確かなことから、国広門下を代表する刀工の一人とされます。80歳を超えてからの作も残る、きわめて長命な刀工でした。
系譜と経歴
刀剣ワールドによると、美濃国に始まる三品派の影響を受けたのち、堀川国広の門人になりました。刀剣店の解説では、天正4年(1576年)の生まれで、豊臣秀吉に仕えた鍛冶ともいわれます。
はじめは「国道」と銘を切っていましたが、慶長19年から20年(1614〜1615年)のあいだに出羽大掾を受領し、以後「出羽大掾藤原国路」と銘するようになりました。明暦3年(1657年)までの作刀が知られ、84歳のときの作も現存しています。安土桃山時代から江戸時代前期まで、半世紀以上にわたって作刀を続けたことになります。
作風の特徴
刀剣ワールドは、国路を師の国広よりも作域が広く、沸や匂の変化に富んだ作風を示す刀工と評し、新刀初期を代表する名工の一人としています。槍の作も残っており、刀剣ワールドには慶長年間の初期作と鑑定された十文字槍が収蔵されています。
鑑賞・購入のポイント
活動期間が長いため、「国道」銘の初期作と「出羽大掾国路」銘の受領後の作があり、銘の違いから大まかな時期を知ることができます。位列資料では二代国路も別に挙げられているので、代の区別は鑑定書で確認しましょう。
基本情報
| 刀工名 | 出羽大掾国路 |
|---|---|
| 読み | でわのだいじょうくにみち |
| 時代 | 新刀 |
| 国 | 山城 |
| 代 | 初代 |
位列
| 位列 | 位 | 備考 |
|---|---|---|
| 業物位列 | 業物 | — |
| 刀剣要覧の位列 | 新刀・上々作 | 第22版/出典に代の記載なし。中上作に「国路(二代)」が別掲されるため初代と判断。 |
| 刀工辞典の位列 | 新刀・上々作 | — |
位列から見る刀剣界での立ち位置
- 業物位列:「業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から4番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)
- 刀剣要覧の位列:「新刀・上々作」——新刀の部に掲載された541工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
- 刀工辞典の位列:「新刀・上々作」——新刀の部に掲載された478工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)
位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。
生きた時代と歴史的背景
新刀(慶長年間〜江戸中期)
新刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)から江戸時代中期ごろまでに作られた日本刀を指します。戦乱が収まって城下町が整えられ、刀工が各地の城下に集まって作刀するようになり、華やかな刃文の作も多く生まれました。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。
山城の新刀の作風の傾向
埋忠明寿は金工出身で新刀鍛冶の祖と仰がれ、堀川国広は新刀初期の大勢力である堀川派の祖とされる。いずれも山城(京都)を拠点に新刀初期を牽引した。
以下は産地全体の一般的な傾向で、個々の刀工によって異なります。
| 見どころ | 傾向 |
|---|---|
| 姿(すがた) | 堀川国広の姿は身幅広く反りが深めで、切先の伸びる豪壮なものとされる。 |
| 地鉄(じがね) | 堀川国広の地鉄は小板目肌がよく詰むものから、板目肌が立ち心でザングリとした肌合いのもの(「堀川打ち」)まで幅があるとされる。 |
| 刃文(はもん) | 埋忠明寿は直刃や湾れ刃を焼くとされ、堀川国広は初期(天正打)に末古刀風の互の目乱れが多く、京都定住後は相州伝を意識した湾れや互の目乱れも焼いたとされる。 |
埋忠派と堀川派では作風が異なり、堀川門人は後に大坂・江戸などへ広がって各地の新刀の源流となったため、一括りにはできない。国広自身も時期により作風が変わる。
関連する刀工・ページ
同じ時代・同じ国(新刀・山城)の刀工
山城国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。
まとめ
出羽大掾国路は、業物位列で「業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上々作」、刀工辞典の位列で「新刀・上々作」と位置づけられている新刀の刀工です。山城国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。
出典
- https://ja.wikipedia.org/wiki/刀剣の業物一覧
- http://www.tsuruginoya.com/mn1_6/mn6_5_4.html
- https://katananokura.jp/hpgen/HPB/entries/50.html
- https://k.n-owner.jp/刀を知る/新刀列位
- https://www.tsuruginoya.com/infomation/data/iretsu-shinto
- https://k.n-owner.jp/刀を知る/新刀列位/
- https://www.touken-world.jp/search/45806/
- http://www.kandatoukodo.com/nihontou/katana21.html
- https://ja.wikipedia.org/wiki/埋忠明寿
- https://ja.wikipedia.org/wiki/堀川国広