一文字派の刀工をまとめて知りたい
一文字派には多くの刀工がいて、名前を覚えるのも一苦労です。この記事では、刀工データベースで一文字派の刀工と判断できる39工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。流派そのものの解説は一文字派とはをご覧ください。
結論:一文字派の刀工は39工。うち8工が作位の最上位です
39工のうち、業物位列にも載る刀工は0工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階にある刀工は8工です。個別の解説ページがある刀工は9工です。
一文字派の作風の傾向
一文字派全体の一般的な傾向です。個々の刀工によって異なります。
| 見どころ | 傾向 |
|---|---|
| 姿(すがた) | 鎌倉時代の太刀らしく腰反りがつき、踏張り(ふんばり)のある姿。時代が下るとやや反りが浅くなる |
| 地鉄(じがね) | 小板目に杢目が交じる精美な鍛え。乱れ映りが鮮やかに立つものが多い |
| 刃文(はもん) | 匂出来の丁子乱れ。福岡一文字最盛期には、焼幅に高低のある大房丁子・重花丁子が華やかに乱れる |
| 帽子(ぼうし) | 乱れ込んで小丸や焼詰め風に返るなど、作により様々 |
| 茎・銘(なかご・めい) | 「一」の字のみ、または「一」と個人名を切る。個人名のみの作もある |
一文字派の位列の分布
刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、一文字派の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。
| 位列 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | 第4段階 | 第5段階 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 刀剣要覧 | 2 | 3 | 0 | 0 | 0 | 5 |
| 刀工辞典 | 8 | 24 | 7 | 0 | 0 | 39 |
流派の内訳
- 一文字派:39工
解説のある主な刀工
一文字派の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。
一文字宗吉
一文字宗吉(いちもんじむねよし)は、鎌倉時代初期に備前国(現在の岡山県)で活躍した刀工で、一文字派のうち最も古い「福岡一文字」に属します。後鳥羽上皇のもとで月ごとに刀を鍛えたと伝わる「御番鍛冶(ごばんかじ)」の一人に数えられる名匠です。
一文字則包
一文字則包(いちもんじのりかね)は、鎌倉時代中期に備前国(現在の岡山県)で活躍した福岡一文字派の刀工です。福岡一文字派の名工の一人とされ、徳川家康から水戸徳川家に伝わった重要文化財の太刀「銘 則包作」で知られます。
一文字則宗
一文字則宗(いちもんじのりむね)は、鎌倉時代初期に備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)で活躍した刀工です。後鳥羽上皇の御番鍛冶に選ばれた名工で、のちに多くの名工を輩出する「福岡一文字派」の祖とされています。国宝の太刀を遺し、古一文字を代表する存在です。
一文字助宗
一文字助宗(いちもんじすけむね)は、鎌倉時代初期に備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した福岡一文字派の刀工です。一文字派の祖とされる則宗とともに後鳥羽上皇の御番鍛冶に選ばれた名工で、古一文字を代表する一人です。
一文字吉平
一文字吉平(いちもんじよしひら)は、鎌倉時代中期に備前国(現在の岡山県)で活躍した福岡一文字派を代表する刀工のひとりです。茎(なかご)の近くから勢いよく立ち上がる華やかな丁子乱れの刃文で知られ、国宝に指定された太刀も残っています。
一文字則房
一文字則房(いちもんじのりふさ)は、鎌倉時代の初期から中期にかけて作刀した一文字派の刀工です。備前国の福岡一文字派の刀工として活動し、のちに備中国片山に移った系統は「片山一文字」と呼ばれます。逆がかった華やかな丁子乱れで知られ、国宝に指定された作が2口あります。
一文字吉房
一文字吉房(いちもんじよしふさ)は、鎌倉時代中期に備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市)で作刀した一文字派の刀工です。福岡一文字を代表する名工で、一派のなかで最も華麗な作風を示します。現存する在銘作のうち5口が国宝に指定されているという、刀工としてほかに例の少ない高い評価を受けています。
正中一文字吉氏
正中一文字吉氏(しょうちゅういちもんじよしうじ)は、鎌倉時代末期に備前国で作刀した刀工で、一文字派の一派「正中一文字(岩戸一文字とも)」の祖とされる人物です。一派の名は、活動の中心となった正中年間(1324〜1326年)に由来します。
吉岡一文字助光
吉岡一文字助光(よしおかいちもんじすけみつ)は、鎌倉時代末期に備前国吉岡(現在の岡山県瀬戸内市付近)で作刀した刀工で、一文字派の一派である吉岡一文字を代表する名工です。
一文字派の刀工一覧
刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。
| 刀工 | 代 | 業物位列 | 刀剣要覧 | 刀工辞典 |
|---|---|---|---|---|
| 一文字宗吉 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 一文字信房 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 一文字則包 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 一文字則宗 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 一文字助房 | — | — | 古刀・最上作(第2段階) | 最上作(第1段階) |
| 一文字助宗 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 一文字助綱 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 一文字吉平 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 一文字宗忠 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字成宗 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字延房 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字信包 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字信正 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字則房 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字則包 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助久 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助包 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助村 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助成 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助則 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助重 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字助吉 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字為清 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字吉房 | — | — | 古刀・最上作(第2段階) | 上々作(第2段階) |
| 一文字吉家 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字吉包 | — | — | 古刀・最上作(第2段階) | 上々作(第2段階) |
| 一文字吉用 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字吉宗 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字行国 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 正中一文字吉氏 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 吉岡一文字助光 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 吉岡一文字助義 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 一文字家信 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 一文字家忠 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 一文字貞真 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 一文字重久 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 一文字助守 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 一文字吉元 | — | — | — | 上作(第3段階) |
| 吉岡一文字助吉 | — | — | — | 上作(第3段階) |
知っておくべき注意点
1. 流派の判定は、データの記載と刀工名によるものです。刀工名に流派名が入っている場合などから判断しており、実際の所属が異なる刀工が含まれる可能性があります。
2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。見方は刀工の位列とはをご覧ください。
まとめ:一文字派は、位の高い刀工から知りましょう
一文字派の刀工は39工います。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風を確認してみてください。流派の全体像は一文字派とは、五箇伝の中での位置づけは備前伝とはで解説しています。

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