古備前の刀工をまとめて知りたい
古備前には多くの刀工がいて、名前を覚えるのも一苦労です。この記事では、刀工データベースで古備前の刀工と判断できる22工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。流派そのものの解説は古備前とはをご覧ください。
結論:古備前の刀工は22工。うち9工が作位の最上位です
22工のうち、業物位列にも載る刀工は0工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階にある刀工は9工です。個別の解説ページがある刀工は10工です。
古備前の作風の傾向
古備前全体の一般的な傾向です。個々の刀工によって異なります。
| 見どころ | 傾向 |
|---|---|
| 姿(すがた) | 細身で長寸、小切先(こぎっさき)で腰反りが深い優美な太刀姿が多い |
| 地鉄(じがね) | 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。映りが立つものも多い |
| 刃文(はもん) | 直刃(すぐは)調に小乱れ・小丁子が交じる。沸がよく付く |
| 帽子(ぼうし) | 刃文に沿って小丸に返るものが見られるが、個々の作で異なる |
| 茎・銘(なかご・めい) | 二字銘(例:「友成」「正恒」)が中心。太刀は刃を下にして佩くため、太刀銘(佩表)に切られる |
古備前の位列の分布
刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、古備前の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。
| 位列 | 第1段階 | 第2段階 | 第3段階 | 第4段階 | 第5段階 | 計 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 刀剣要覧 | 6 | 1 | 0 | 0 | 1 | 8 |
| 刀工辞典 | 9 | 13 | 0 | 0 | 0 | 22 |
流派の内訳
- 古備前:22工
解説のある主な刀工
古備前の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。
古備前包平
古備前包平(こびぜんかねひら)は、平安時代後期に備前国(現在の岡山県東南部)で活躍した古備前派の刀工です。日本刀の最高傑作の一つともいわれる国宝「大包平(おおかねひら)」の作者として知られ、古備前派の初期を代表する名工です。
古備前正恒
古備前正恒(こびぜんまさつね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期ごろに備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。古備前派の祖と伝わる友成と並び、一派の「双璧」と称される名工で、精緻で美しい地鉄に定評があります。
古備前信房
古備前信房(こびぜんのぶふさ)は、平安時代末期ごろに備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。元暦(1184〜1185年)ごろの刀工とされ、酒井家に伝わった国宝の太刀「銘信房作」で知られます。古調で品のある作風が魅力の名工です。
古備前助秀
古備前助秀(こびぜんすけひで)は、鎌倉時代初期に備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。建暦(1211年)ごろに活躍したと考えられており、現存作はきわめて少ないものの、古備前物の中でも華やかで見どころの多い作風で知られます。
古備前助包
古備前助包(こびぜんすけかね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。現存作は少ないものの、国宝1口と重要文化財3口が指定されており、古備前派を代表する名工の一人に数えられます。
古備前高平
高平(たかひら)は、平安時代に備前国(現在の岡山県)で活躍したと伝わる古備前派の刀工です。永延(987〜989)頃の人とされ、同じ古備前派の包平・助平とともに「三平(さんぴら)」と並び称されてきました。備前伝の最初期を代表する名工の一人ですが、その実像には謎が多く残されています。生没年はわかっていません。
古備前遠近
古備前遠近(こびぜんとおちか)は、備前国(現在の岡山県)の古備前派に数えられる刀工で、鎌倉時代中期ごろに活躍したとされます。古備前派の中では時代が下る刀工で、華やかな蛙子丁子(かわずこちょうじ)の刃文を焼き、のちの長船派や畠田派につながる作風を示した点で注目される存在です。
古備前友成
古備前友成(こびぜんともなり)は、平安時代に備前国(現在の岡山県東南部)で活躍した古備前派の刀工です。古備前派の祖とも伝えられる最古級の名工で、国宝・重要文化財に指定された太刀を数多く遺しています。平家ゆかりの厳島神社に伝わる太刀の作者としても知られています。
古備前真恒
古備前真恒(こびぜんさねつね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて備前国で作刀した古備前派の刀工です。久能山東照宮に伝わる国宝の太刀の作者として知られています。
古備前行秀
古備前行秀(こびぜんゆきひで)は、鎌倉時代初期、承久(1219〜1222年)ごろに備前国で作刀したとされる古備前派の刀工です。同じ時代・同じ国の刀工でありながら、銘鑑では古備前と一文字派の両方に「行秀」の名が見えるため、現存作はどちらの系統に属するかを作風から判断して極められます。
古備前の刀工一覧
刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。
| 刀工 | 代 | 業物位列 | 刀剣要覧 | 刀工辞典 |
|---|---|---|---|---|
| 古備前包平 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前正恒 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前信房 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前助秀 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 古備前助平 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前助包 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前高平 | — | — | 古刀・最上作(第2段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前遠近 | — | — | — | 最上作(第1段階) |
| 古備前友成 | — | — | 古刀・極上作(第1段階) | 最上作(第1段階) |
| 古備前近包 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前正恒 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前宗安 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前成包 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前真恒 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前助友 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前友安 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前利恒 | — | — | 古刀・中上作(第5段階) | 上々作(第2段階) |
| 古備前恒清 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前恒遠 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前吉包 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前義憲 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
| 古備前行秀 | — | — | — | 上々作(第2段階) |
知っておくべき注意点
1. 流派の判定は、データの記載と刀工名によるものです。刀工名に流派名が入っている場合などから判断しており、実際の所属が異なる刀工が含まれる可能性があります。
2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。見方は刀工の位列とはをご覧ください。
まとめ:古備前は、位の高い刀工から知りましょう
古備前の刀工は22工います。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風を確認してみてください。流派の全体像は古備前とは、五箇伝の中での位置づけは備前伝とはで解説しています。
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