越前守信吉(えちぜんのかみのぶよし)は、業物位列で「大業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上作」、刀工辞典の位列で「新刀・中上作」に位置づけられている刀工です。
越前守信吉とは
越前守信吉(えちぜんのかみのぶよし)は、江戸時代前期に京都で活躍し、晩年は大坂に移って作刀した刀工です。京都の信濃守信吉の一族で、「越前守源来信吉」などと銘を切り、菊紋を添えた作も知られます。直刃の出来のよさに定評がある刀工です。
系譜と経歴
信濃守信吉との関係は資料によって表現が異なり、刀剣店の解説では「初代信濃守信吉の三男」、名古屋刀剣博物館の記事では「信濃守信吉の弟」とされています。いずれにしても信濃守信吉の家から出た刀工です。
銘は「越前守源信吉」「入道源来信吉」「高井越前守源来信吉」など、いくつかの形が確認されています。「来」の字を入れているのは、鎌倉時代の山城の名門・来派の流れを称したものと考えられますが、系譜上のつながりは確かではありません。晩年は大坂へ移り住んで作刀を続けたとされ、延宝(1673〜1681年)ごろの作が伝わっています。
作風の特徴
特に評価が高いのは直刃の作で、刀剣店の解説では、大坂の名工井上真改に迫る出来と評されています。
鑑賞・購入のポイント
銘の形がいくつもあり、「来」の字や菊紋の有無、「入道」「高井」といった文字の入り方で時期や作風が異なる可能性があります。同じ一族に信濃守信吉(初代・二代)がいるため、「信吉」の銘だけで判断せず、受領名を必ず確認しましょう。
基本情報
| 刀工名 | 越前守信吉 |
|---|---|
| 読み | えちぜんのかみのぶよし |
| 時代 | 新刀 |
| 国 | — |
| 代 | — |
位列
| 位列 | 位 | 備考 |
|---|---|---|
| 業物位列 | 大業物 | — |
| 刀剣要覧の位列 | 新刀・上作 | 第22版 |
| 刀工辞典の位列 | 新刀・中上作 | — |
位列から見る刀剣界での立ち位置
- 業物位列:「大業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から2番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)
- 刀剣要覧の位列:「新刀・上作」——新刀の部に掲載された541工のうちの一人で、5段階中、上から3番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
- 刀工辞典の位列:「新刀・中上作」——新刀の部に掲載された478工のうちの一人で、5段階中、上から4番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)
位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。
生きた時代と歴史的背景
新刀(慶長年間〜江戸中期)
新刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)から江戸時代中期ごろまでに作られた日本刀を指します。戦乱が収まって城下町が整えられ、刀工が各地の城下に集まって作刀するようになり、華やかな刃文の作も多く生まれました。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。
まとめ
越前守信吉は、業物位列で「大業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上作」、刀工辞典の位列で「新刀・中上作」と位置づけられている新刀の刀工です。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。
出典
- https://ja.wikipedia.org/wiki/刀剣の業物一覧
- http://www.tsuruginoya.com/mn1_6/mn6_5_4.html
- https://www.meihaku.jp/sword-basic/owazamono-21/
- https://katananokura.jp/hpgen/HPB/entries/50.html
- https://k.n-owner.jp/刀を知る/新刀列位
- https://www.tsuruginoya.com/infomation/data/iretsu-shinto
- https://k.n-owner.jp/刀を知る/新刀列位/
- https://samuraishokai.jp/sword/16302.html
- https://www.meihaku.jp/ginga-sword/ginga-mishinaha/
- https://ginza.choshuya.co.jp/sale/sword/18/08/nobuyoshi.htm