兼友(かねとも)は、刀剣要覧の位列で「古刀・上々作」に位置づけられている刀工です。
美濃の兼友とは
兼友(かねとも)は、南北朝時代に美濃国で活動した刀工で、二代にわたって作刀したとされます。初代は「志津三郎」を名乗った兼氏の子、または弟子と伝えられます。
系譜と経歴
初代兼友は兼氏の系統に属します。二代は藤九郎を名乗り、現存する作例は南北朝時代の最末期のものとされます。
作風の特徴
| 項目 | 初代の特徴 |
|---|---|
| 地鉄 | 板目に柾目が交じり、地沸が付き、白気映りが立つ |
| 刃文 | 小沸出来の湾れや互の目乱れで、刃中に金筋が入る |
| 銘 | 「兼友」の二字銘 |
二代は湾れ調の直刃に、腰の開いた互の目を交えた刃文が特色とされます。
基本情報
| 刀工名 | 兼友 |
|---|---|
| 読み | かねとも |
| 時代 | 古刀 |
| 国 | 美濃 |
| 代 | — |
位列
| 位列 | 位 | 備考 |
|---|---|---|
| 刀剣要覧の位列 | 古刀・上々作 | 第22版(古刀の部・三位) |
位列から見る刀剣界での立ち位置
- 刀剣要覧の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から3番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。
生きた時代と歴史的背景
古刀(〜慶長年間)
古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。
美濃伝(五箇伝)の傾向
美濃伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は美濃伝とはで解説しています。
| 見どころ | 傾向 |
|---|---|
| 姿(すがた) | 室町時代の打刀(うちがたな)が主流で、反りが比較的浅く、実用に適した姿が多い |
| 地鉄(じがね) | 板目肌に柾目(まさめ)が流れるように交じる。刃寄りや鎬地に柾目が目立つものも多い |
| 刃文(はもん) | 匂(におい)主体で、尖り刃が交じる互の目が代表的。三本杉のように尖った互の目が規則的に連なるものもある |
| 帽子(ぼうし) | 「地蔵帽子(じぞうぼうし)」と呼ばれる、人の横顔のような形のものが特徴的 |
関連する刀工・ページ
同じ時代・同じ国(古刀・美濃)の刀工
美濃国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。
まとめ
兼友は、刀剣要覧の位列で「古刀・上々作」と位置づけられている古刀の刀工です。美濃国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。