越後守包貞(えちごのかみかねさだ)の位列と基本情報|刀工データベース

越後守包貞(えちごのかみかねさだ)は、業物位列で「大業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上々作」、刀工辞典の位列で「新刀・上々作」に位置づけられている刀工です。

二代越後守包貞とは

二代越後守包貞(えちごのかみ かねさだ)は、江戸時代前期の寛文・延宝ごろに摂津国(大坂)で活動した新刀の刀工です。大坂新刀を代表する名工の一人とされ、業物の位列では大業物に数えられます。

系譜と経歴

初代越後守包貞の門人です。寛文9年(1669)ごろに初代が亡くなったとき、初代の子の岩松がまだ幼かったため、代わって包貞を名乗りました。延宝8年(1680)ごろに包貞の銘を岩松に譲り、自身は「坂倉言之進照包」と改銘したと伝えられます。そのため、照包銘の作も同じ刀工の後期作にあたります。

作風の特徴

  • 濤乱刃(とうらんば)や、矢筈がかった大互の目乱れを得意としました。
  • 助広の作風を思わせる直刃も手がけています。

鑑賞・購入のポイント

包貞銘の作は、二代が名乗った時期(1669〜1680年ごろ)のものか、のちに岩松が継いだ三代のものかの見分けが大切です。照包銘は二代の後期作として区別されます。

基本情報

刀工名 越後守包貞
読み えちごのかみかねさだ
時代 新刀
国 摂津
代 二代

位列

位列 位 備考
業物位列 大業物 —
刀剣要覧の位列 新刀・上々作 第22版/矢澤商会は「二代・包貞(照包)」と表記。 名寄せ:旧slug terukane-shinto
刀工辞典の位列 新刀・上々作 名寄せ:旧slug sakakura-gon-no-shin-terukane

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 業物位列:「大業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から2番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)
  • 刀剣要覧の位列:「新刀・上々作」——新刀の部に掲載された541工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「新刀・上々作」——新刀の部に掲載された478工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

新刀(慶長年間〜江戸中期)

新刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)から江戸時代中期ごろまでに作られた日本刀を指します。戦乱が収まって城下町が整えられ、刀工が各地の城下に集まって作刀するようになり、華やかな刃文の作も多く生まれました。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

摂津の新刀の作風の傾向

秀吉の大坂城築城以後、商業都市として栄えた大坂(摂津)に各地から刀工が集まり、「大坂新刀」と呼ばれる一群が形成された。町人など富裕層の需要を背景に、実用一辺倒でなく装飾性・技巧性の高い作風が発展したとされる。

以下は産地全体の一般的な傾向で、個々の刀工によって異なります。

見どころ 傾向
姿(すがた) 新刀全般の傾向として身幅が広く反りが浅い姿とされ、大坂新刀では実用より装飾性が重んじられたと解説される。
地鉄(じがね) 鋼の産地(備前・播磨・出雲)に近い立地もあり、精緻によく詰んだ地鉄の美しさが際立つとされる。冴えた沸が付く「大坂沸」も特徴に挙げられる。
刃文(はもん) 華やかで技巧的な刃文が好まれ、津田助広が創始した濤瀾乱刃のほか、拳形丁子、簾刃などが見られる。焼き出しが細く始まり次第に幅を増す「大坂焼き出し」と、小丸の帽子も特徴とされる。

摂津の刀工が皆この作風というわけではなく、堀川系・相州伝・美濃伝など出自の違いによる個人差が大きい。江戸新刀が武骨とされるのとの対比で語られることが多い点にも注意。

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同じ時代・同じ国(新刀・摂津)の刀工

摂津国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

越後守包貞は、業物位列で「大業物」、刀剣要覧の位列で「新刀・上々作」、刀工辞典の位列で「新刀・上々作」と位置づけられている新刀の刀工です。摂津国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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