右京亮勝光(うきょうのすけかつみつ)の位列と基本情報|刀工データベース

右京亮勝光(うきょうのすけかつみつ)は、業物位列で「良業物」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」に位置づけられている刀工です。

右京亮勝光とは

右京亮勝光(うきょうのすけかつみつ)は、室町時代中期から後期にかけて備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。応仁・文明のころから活躍し、室町後期の備前刀「末備前(すえびぜん)」が大きく発展するきっかけを作った名工の一人とされます。資料によっては「右京進」と表記されることもあります。

系譜と経歴

勝光は長船の六郎左衛門尉祐光の長男で、弟に左京進宗光がいます。兄弟の合作もしばしば見られ、古い押形集には文明3年(1471年)に勝光37歳・宗光35歳と記した作が載っているとされます。ほかに則光・忠光や彦兵衛尉祐定との合作も知られています。

勝光は刀工でありながら武士としての一面も持ち、文明15年(1483年)には赤松政則の配下として一族郎党を率いて備前の福岡城を守り、合戦に加わったと伝えられます。作品は文明から延徳ごろのものが残り、備前だけでなく山城・美作・備中などでも作刀しました。

子の次郎左衛門尉勝光も名工として知られます。勝光の代数の数え方には資料による違いがあり、右京亮を初代とする説明のほか、長船の勝光を五代まで数え、右京亮を四代とする説明もあります。

作風の特徴

見どころ 特徴
姿 造込みが多彩で上手。短刀には重ねの厚い鎧通し、冠落とし造、両刃造なども見られる
地鉄 板目に杢が交じり、地沸がつく
刃文 互の目丁子が多い。のたれに互の目を交え、飛焼がかかって皆焼風になる華やかな作もある
彫物 剣・梵字・文字などの彫物を見ることがある

刃文の用語は刃文の種類、備前刀の基本は備前伝をご覧ください。

鑑賞・購入のポイント

末備前というと、俗名のない「祐定」「勝光」銘を大量生産品(数打ち)と見る向きもありますが、応仁・文明ごろの作は俗名がなくても名品が多いと指摘されています。数打ちとされるものは銘が雑に切られ、地鉄も精美でないことが多いといわれるので、銘の丁寧さや地鉄の良し悪しに注目しましょう。同名の勝光が複数いるため、どの勝光の作かは日本美術刀剣保存協会の鑑定書で確認すると安心です。

基本情報

刀工名 右京亮勝光
読み うきょうのすけかつみつ
時代 古刀
国 備前
代 —
流派 長船派

位列

位列 位 備考
業物位列 良業物 Wikipedia・名博は「右京進」、つるぎの屋は「右京亮」と表記(受領名表記の差)。
刀工辞典の位列 古刀・最上作 刀工辞典の時代区分:末古刀(寛正-文禄)

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 業物位列:「良業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から3番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

長船派の作風と鑑定のポイント

以下は長船派全体の一般的な傾向です。個々の刀工・代によって異なり、例外も多くあります。流派の詳しい解説は長船派とはをご覧ください。

見どころ 傾向
姿(すがた) 鎌倉期は腰反りの太刀姿。南北朝期は身幅広く大切先の豪壮な姿も。末備前は反りのやや浅い打刀が多い
地鉄(じがね) 小板目や板目に杢目交じり。映りが立つものが多い
刃文(はもん) 匂出来の丁子乱れが基本。光忠・長光は華やかな丁子、景光は片落ち互の目、兼光は沸の強い作風、末備前は互の目乱れなど
帽子(ぼうし) 長光・真長・景光には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子」が見られるとされる
茎・銘(なかご・めい) 「備前国長船住◯◯」「備州長船◯◯」など、国名・地名入りの長銘や年紀入りの作が多い

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

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備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

右京亮勝光は、業物位列で「良業物」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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