長船忠光(初代)の位列と基本情報|刀工データベース

長船忠光(初代)(おさふねただみつ)は、業物位列で「良業物」に位置づけられている刀工です。

長船忠光(彦兵衛尉)とは

長船忠光は、室町時代後期の備前国長船で活躍した「末備前」を代表する刀工の一人です。勝光や宗光と並び称されます。「忠光」を名乗る刀工は複数おり、このうち彦兵衛尉忠光は上手として知られています。

系譜と経歴

彦兵衛尉忠光は、文明年間(1469〜1487年)から明応年間(1492〜1501年)ごろにかけて作刀したと考えられています。資料によっては「七代目」と数えるものもあり、本サイトでの「初代」という区分は資料の代数の数え方と一致しない場合があります。同名の忠光には、彦三郎、平右衛門、修理亮、九郎左衛門などがいたとされます。

作風の特徴

  • 直刃:地鉄がよく詰み、地沸が一面につく華やかな趣。直刃の名手として知られます。
  • 乱刃:華やかさは控えめですが、足や葉がよく入り、全体に明るい印象です。

重要美術品に指定された、延徳3年(1491年)の年紀をもつ「備前国住長船忠光作」の刀は、匂口の冴えた乱刃で表裏に彫刻が施されています。

鑑賞・購入のポイント

忠光を名乗る刀工が複数いるため、年紀や通称の有無で代を確かめることが大切です。

基本情報

刀工名 長船忠光(初代)
読み おさふねただみつ
時代 古刀
国 備前
代 初代
流派 長船派

位列

位列 位 備考
業物位列 良業物 彦兵衛忠光。Wikipediaは代を分けず「長船忠光」1工。

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 業物位列:「良業物」——この位列に掲載された172工のうちの一人で、4段階中、上から3番目の位です。江戸時代の試し斬りの結果をもとにした、切れ味の格付けです。刀の美しさや出来を評価したものではありません。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

長船派の作風と鑑定のポイント

以下は長船派全体の一般的な傾向です。個々の刀工・代によって異なり、例外も多くあります。流派の詳しい解説は長船派とはをご覧ください。

見どころ 傾向
姿(すがた) 鎌倉期は腰反りの太刀姿。南北朝期は身幅広く大切先の豪壮な姿も。末備前は反りのやや浅い打刀が多い
地鉄(じがね) 小板目や板目に杢目交じり。映りが立つものが多い
刃文(はもん) 匂出来の丁子乱れが基本。光忠・長光は華やかな丁子、景光は片落ち互の目、兼光は沸の強い作風、末備前は互の目乱れなど
帽子(ぼうし) 長光・真長・景光には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子」が見られるとされる
茎・銘(なかご・めい) 「備前国長船住◯◯」「備州長船◯◯」など、国名・地名入りの長銘や年紀入りの作が多い

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

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備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

長船忠光(初代)は、業物位列で「良業物」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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