景光(かげみつ)の位列と基本情報|刀工データベース

景光(かげみつ)は、刀剣要覧の位列で「古刀・最上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」に位置づけられている刀工です。

左兵衛尉景光とは

左兵衛尉景光(さひょうえのじょうかげみつ)は、鎌倉時代後期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。名工・長光の子で、長船派の三代目にあたります。格調高い作風と美しい地鉄で知られ、国宝「小竜景光」の作者として有名です。

系譜と経歴

長船派は光忠を祖とし、その子・長光、孫の景光へと受け継がれました。景光は「左兵衛尉」や「左衛門尉」の官途名を銘に添えたことでも知られています。年紀のある作から、嘉元2年(1304年)ごろから南北朝時代初めの貞和元年(1345年)ごろまで作刀したとする紹介がありますが、年紀の範囲は資料によって多少異なります。子には、のちに長船派を代表する兼光がいます。

作風の特徴

父の長光ほど華やかではなく、落ち着いた品格の高い作風です。特に地鉄の美しさは長船鍛冶の中でも第一級と評価されています。

見どころ 特徴
刃文 中丁子・小丁子に互の目を交える。互の目の頭が片側に傾く「片落ち互の目」を創始したとされる
地鉄 小板目肌がよく詰み、たいへん美しい
造込み 短刀に片切刃造の作例がある
彫物 不動明王や倶利伽羅龍など精緻な刀身彫の名手
銘 「備前長船住景光」「備前国長船住左衛門尉景光」など長銘を好む

刃文の用語は刃文の解説、備前の刀の全体像は備前伝でも紹介しています。

代表作

  • 国宝 名物 小竜景光(東京国立博物館):樋の中に倶利伽羅龍の彫物があることからの名で、楠木正成の佩刀と伝える「楠公景光」の異称もあります(伝承)。
  • 国宝 謙信景光:上杉謙信ゆかりと伝わる短刀です。

鑑賞・購入のポイント

  • 加賀にも加州景光という別の刀工がいます。国の違いに注意しましょう。
  • 長船派は作例が多く偽銘も少なくありません。長光・兼光など近い刀工との比較も含め、鑑定書による確認をおすすめします。

基本情報

刀工名 景光
読み かげみつ
時代 古刀
国 備前
代 —

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・最上作 第22版(古刀の部・二位)/名寄せ:旧slug bizen-kagemitsu
刀工辞典の位列 古刀・最上作 刀工辞典の時代区分:中古刀(元応-長禄)

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

関連する刀工・ページ

同じ時代・同じ国(古刀・備前)の刀工

備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

景光は、刀剣要覧の位列で「古刀・最上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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