古備前行秀(こびぜんゆきひで)|刀工データベース

古備前行秀(こびぜんゆきひで)は、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」に位置づけられている刀工です。

古備前行秀とは

古備前行秀(こびぜんゆきひで)は、鎌倉時代初期、承久(1219〜1222年)ごろに備前国で作刀したとされる古備前派の刀工です。同じ時代・同じ国の刀工でありながら、銘鑑では古備前と一文字派の両方に「行秀」の名が見えるため、現存作はどちらの系統に属するかを作風から判断して極められます。

作風の特徴

刀剣商TAISEIDOが紹介する重要刀剣の行秀(古備前極め)の解説によると、行秀の見どころは、刃中に逆がかった刃が交じる点や、二重刃がかる点にあると古来いわれてきました。紹介されている一口は、小乱れを主体に小丁子・丁子が交じり、ところどころ逆がかって、砂流し・湯走り・金筋などの働きが見られるものです。

古備前らしい生ぶの姿は、腰反りが高く元に踏張りがあり、先へ行って伏しごころとなって小鋒に結ぶ、優美な太刀姿です。

鑑賞・購入のポイント

  • 「行秀」の銘は古備前と一文字の双方にあるため、鑑定書でどちらと極められているかを確認しましょう。
  • 刃中の逆がかった働きや二重刃が、行秀を見るうえでの手がかりになります。
  • なお、幕末土佐の左行秀など、同名の別人も多い名前です。

基本情報

刀工名 古備前行秀
読み こびぜんゆきひで
時代 古刀
国 備前
代 —
流派 古備前

位列

位列 位 備考
刀工辞典の位列 古刀・上々作 —

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀工辞典の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

古備前の作風と鑑定のポイント

以下は古備前全体の一般的な傾向です。個々の刀工・代によって異なり、例外も多くあります。流派の詳しい解説は古備前とはをご覧ください。

見どころ 傾向
姿(すがた) 細身で長寸、小切先(こぎっさき)で腰反りが深い優美な太刀姿が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。映りが立つものも多い
刃文(はもん) 直刃(すぐは)調に小乱れ・小丁子が交じる。沸がよく付く
帽子(ぼうし) 刃文に沿って小丸に返るものが見られるが、個々の作で異なる
茎・銘(なかご・めい) 二字銘(例:「友成」「正恒」)が中心。太刀は刃を下にして佩くため、太刀銘(佩表)に切られる

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

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同じ流派の刀工

同じ時代・同じ国(古刀・備前)の刀工

備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

古備前行秀は、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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