倫光(ともみつ)の位列と基本情報|刀工データベース

倫光(ともみつ)は、刀剣要覧の位列で「古刀・上々作」、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」に位置づけられている刀工です。

長船倫光とは

長船倫光(おさふねともみつ)は、南北朝時代に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で作刀した長船派の刀工です。大和の刀工「友光」と区別するため、「倫」の字を音読みして「リントモミツ」と呼ばれてきました。日光二荒山神社に伝わる国宝の大太刀の作者として知られます。

系譜と経歴

刀剣ワールドによると、長船派の名工景光の三男とされる一方、景光の門人とする伝えもあります。文化遺産オンラインなどの解説では、景光の子である兼光の一門に属する刀工とされています。現存する年紀としては、国宝の大太刀に刻まれた貞治5年(1366年)が知られ、南北朝時代中期に活動したことがわかります。

作風の特徴

項目 特徴
姿 太刀・短刀とも身幅が広く、重ねが薄く、切先が延びた南北朝時代らしい姿
地鉄 よく詰んだ板目に杢目がまじる
刃文 互の目に丁子が入り、湾れ(のたれ)ごころが目立つ
帽子 多くは乱れ込み
銘 「備州住長船倫光」「備州長船住倫光」の2種

兼光一門らしい湾れ主体の乱れ刃に、南北朝期の豪壮な姿が組み合わさるのが見どころです。

代表作

  • 大太刀 銘 備州長船倫光/貞治五年二月日 附 野太刀拵(国宝、二荒山神社所蔵):刃長が120cmを超える大太刀で、1953年に国宝に指定されました。鍛えがよく、力強い刃文と見事な彫物をそなえ、保存状態もきわめて良好と評されます。室町時代以前の野太刀拵が附属しています。

鑑賞・購入のポイント

「倫光」を「ともみつ」と読むと大和の友光と紛らわしいため、刀剣の世界では「りんともみつ」と呼び分けるのが通例です。銘は2種類が知られているので、銘の形式もあわせて確認するとよいでしょう。

基本情報

刀工名 倫光
読み ともみつ
時代 古刀
国 備前
代 —

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・上々作 第22版(古刀の部・三位)/名寄せ:旧slug bizen-tomomitsu
刀工辞典の位列 古刀・上々作 刀工辞典の時代区分:中古刀(元応-長禄)

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から3番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

関連する刀工・ページ

同じ時代・同じ国(古刀・備前)の刀工

備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

倫光は、刀剣要覧の位列で「古刀・上々作」、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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