信国(初代)の位列と基本情報|刀工データベース

信国(初代)(のぶくに)は、刀剣要覧の位列で「古刀・上々作」、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」に位置づけられている刀工です。

山城信国(初代)とは

初代信国(しょだいのぶくに)は、南北朝時代に山城国の京都五条坊門堀河で作刀した刀工で、室町時代にかけて京都・豊前・筑前へと広がる「信国派」の祖です。来派系の了戒に学び、来派の穏やかな作風と相州伝の力強い沸の作風をあわせ持った刀工として知られます。

系譜と経歴

Wikipediaによると、1320年ごろに了戒の弟子として作刀を始め、のちに京都の五条坊門に住んで「信国」と銘を切るようになりました。延文3年(1358年)から貞治5年(1366年)ごろの年紀作が知られ、応安2年(1369年)に没したとされます。刀剣ワールドは、信国を了戒の子もしくは孫と伝え、信国の名は室町時代中期まで6代続いたとしています。

なお、刀剣ワールドは「初代の在銘刀は存在せず、現在では二代目を初代とみなす説が有力」と紹介しています。一方でWikipediaは延文・貞治の年紀を持つ短刀を初代の作として扱っており、どの作を初代とみるかは資料によって異なります。

作風の特徴

項目 特徴
姿 延文・貞治ごろの短刀らしく、身幅が広く重ねが薄く、わずかに先反りがつく
刃文 来派・了戒風の直刃と、正宗・貞宗風の沸出来の湾れ刃(金筋・砂流しがかかる)の二系統
彫物 梵字や剣など、大進房風の刀身彫を得意とする
茎 茎尻が栗尻になる

彫物の巧みさは、のちの信国一門にも受け継がれる大きな特色です(山城伝、相州伝)。

代表作

Wikipediaには、重要文化財の短刀(銘「信國」、個人蔵)や、貞治5年10月の年紀がある短刀(個人蔵)、延文3年12月の年紀がある重要美術品の短刀などが挙げられています。いずれも個人蔵のため、公開の機会は限られます。

鑑賞・購入のポイント

信国の名は6代にわたり、さらに筑前信国など各地の分派もあるため、「信国」の二字銘だけで初代と判断することはできません。年紀の有無や姿の時代性が重要な手がかりになります。

基本情報

刀工名 信国(初代)
読み のぶくに
時代 古刀
国 山城
代 初代

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・上々作 第22版(古刀の部・三位)
刀工辞典の位列 古刀・上々作 刀工辞典の時代区分:中古刀(元応-長禄)

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から3番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・上々作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

山城伝(五箇伝)の傾向

山城伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は山城伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 反りの中心が刀身の中ほどにくる「中反り(なかぞり)」で、鳥居の笠木のような「鳥居反り」とも呼ばれる。細身で優雅、小切先(こぎっさき)のものが多い
地鉄(じがね) 小板目肌(こいためはだ)がよく詰み、潤いがある。地沸(じにえ)が細かく付く
刃文(はもん) 小沸(こにえ)を主体とした直刃が基調。小乱れや小丁子が交じり、刃中の働きが豊か
帽子(ぼうし) 品よく小丸(こまる)に返るものが見られる

関連する刀工・ページ

同じ時代・同じ国(古刀・山城)の刀工

山城国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

信国(初代)は、刀剣要覧の位列で「古刀・上々作」、刀工辞典の位列で「古刀・上々作」と位置づけられている古刀の刀工です。山城国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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