国友(粟田口)の位列と基本情報|刀工データベース

国友(粟田口)(くにとも)は、刀剣要覧の位列で「古刀・極上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」に位置づけられている刀工です。

粟田口国友とは

粟田口国友(あわたぐちくにとも)は、鎌倉時代初期に山城国粟田口(現在の京都市東山区)で活躍した刀工です。粟田口派の祖・国家の子で、名工ぞろいの「粟田口六兄弟」の長男にあたります。後鳥羽上皇の御番鍛冶に選ばれた名工で、粟田口派らしい精緻な地鉄と上品な直刃で知られています。

系譜と経歴

国友は粟田口派を興した国家の長男です。弟に久国・国安・国清・有国・国綱がおり、6人全員が名工として名を残しました。

左衛門尉に任じられ「藤林左衛門尉」と称したと伝わります。在銘作の年代はおよそ建久年間(1190年代)とされます。後鳥羽上皇が各地の名工を召して月ごとに作刀させた「御番鍛冶」では、6月を担当したとされています(担当月については別の説もあります)。

子の則国、孫とされる国吉へと、粟田口派の本流は受け継がれていきました。一門の歩みは粟田口派の解説をご覧ください。

作風の特徴

見どころ 特徴
地鉄 小杢目がよく詰んだ、いわゆる「粟田口肌」の見事な鍛え
刃文 小沸(こにえ)本位の直刃
印象 一門のなかでも特に上品で洗練された作風
銘 「国友」の二字銘

派手さよりも地鉄の美しさと品格で見せる、山城伝の典型的な作風です。直刃の見方は刃文の解説も参考にしてください。

鑑賞・購入のポイント

  • 国友の作は重要文化財に指定されたものがあると紹介されており、鎌倉時代初期の在銘作はきわめて貴重です。市場に出ることはまれでしょう。
  • 「国友」の名は他国・他時代の刀工にも見られます。このデータベースにも延寿国友など同名の刀工が掲載されているため、国と時代を必ず確認しましょう。
  • 弟たちや子の則国の作と見比べると、粟田口派の中での個性の違いが楽しめます。

基本情報

刀工名 国友(粟田口)
読み くにとも
時代 古刀
国 山城
代 —

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・極上作 第22版(古刀の部・一位)
刀工辞典の位列 古刀・最上作 —

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・極上作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

山城伝(五箇伝)の傾向

山城伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は山城伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 反りの中心が刀身の中ほどにくる「中反り(なかぞり)」で、鳥居の笠木のような「鳥居反り」とも呼ばれる。細身で優雅、小切先(こぎっさき)のものが多い
地鉄(じがね) 小板目肌(こいためはだ)がよく詰み、潤いがある。地沸(じにえ)が細かく付く
刃文(はもん) 小沸(こにえ)を主体とした直刃が基調。小乱れや小丁子が交じり、刃中の働きが豊か
帽子(ぼうし) 品よく小丸(こまる)に返るものが見られる

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同じ時代・同じ国(古刀・山城)の刀工

山城国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

国友(粟田口)は、刀剣要覧の位列で「古刀・極上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」と位置づけられている古刀の刀工です。山城国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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