国俊(来)の位列と基本情報|刀工データベース

国俊(来)(くにとし)は、刀剣要覧の位列で「古刀・最上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」に位置づけられている刀工です。

来国俊とは

来国俊(らい くにとし)は、鎌倉時代後期に山城国(京都)で活躍した来派の刀工です。「来国俊」の三字銘で知られ、太刀だけでなく短刀の名手としても高く評価されています。年紀入りの作から、正和4年(1315)に75歳であったことがわかり、そこから延応2年(1240)頃の生まれと推定されています。

系譜と経歴

来国俊は、来派の事実上の祖とされる来国行の系統に連なる刀工です。ただし、「国俊」の二字銘を切る刀工(通称「二字国俊」)との関係には、昔から二つの説があります。

  • 別人説:来国行 → 来国吉 → 二字国俊 → 来国俊(孫太郎)と続く別々の刀工とみる説
  • 同人説:二字銘と三字銘は同じ人物が時期によって銘を変えたもので、父の国行が亡くなってから「来」を冠するようになったとみる説

いずれの説も決着はついておらず、諸説として扱われています。来国俊は銘の切り方がたびたび変わったとされ、「六度変わり」とも呼ばれます。

永仁5年(1297)の57歳作、正和5年(1316)の76歳作などが残り、当時としては非常に長く作刀を続けた刀工でした。

なお、「来孫太郎国俊」と記される刀工も、この来国俊のことです。徳川美術館が所蔵する太刀に「来孫太郎作」と切られたものがあり、銘の書きぶりから「孫太郎」は来国俊の通称と考えられています。また、Wikipediaでは二字国俊と来国俊は作風の違いから別人とみる説が有力とされています。

作風の特徴

項目 特徴
刀種 太刀・短刀ともに多い(二字銘は太刀がほとんど)
地鉄 小板目肌がよく詰む
刃文 品のよい直刃調を基本に、小乱れや小互の目を交えるものもある
帽子 小丸に返る作が見られる

上品で落ち着いた山城伝の作風を代表する刀工の一人です。

代表作

  • 国宝「短刀 銘来国俊 正和五年十一月日」…熱田神宮が所蔵する76歳の作で、「熱田の来国俊」として知られます。
  • 国宝 小太刀「来国俊」…日光二荒山神社の所蔵です。
  • 重要文化財 太刀「来国俊 正和二二年十月廿三日」…尾張徳川家に伝わる徳川黎明会の所蔵で、75歳の作とされます。
  • 国宝 太刀「銘来孫太郎作」…徳川美術館の所蔵です。
  • 国宝 短刀「銘来国俊」…黒川古文化研究所の所蔵です。

鑑賞・購入のポイント

  • 名工として人気が高いため、「来国俊」銘の刀には偽銘も少なくありません。鑑定書の有無と内容を必ず確認しましょう。
  • 銘の書体が時期によって変わるため、銘だけで真偽や時期を判断するのは専門家でも難しいところです。
  • 来派の他の刀工(来国光、来国次)と見比べると、来派内での作風の違いがわかりやすくなります。

基本情報

刀工名 国俊(来)
読み くにとし
時代 古刀
国 山城
代 —

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・最上作 第22版(古刀の部・二位)
刀工辞典の位列 古刀・最上作 名寄せ:旧slug rai-magotaro-kunitoshi
刀工辞典の位列 古刀・最上作 刀工辞典の時代区分:中古刀(元応-長禄)

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

山城伝(五箇伝)の傾向

山城伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は山城伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 反りの中心が刀身の中ほどにくる「中反り(なかぞり)」で、鳥居の笠木のような「鳥居反り」とも呼ばれる。細身で優雅、小切先(こぎっさき)のものが多い
地鉄(じがね) 小板目肌(こいためはだ)がよく詰み、潤いがある。地沸(じにえ)が細かく付く
刃文(はもん) 小沸(こにえ)を主体とした直刃が基調。小乱れや小丁子が交じり、刃中の働きが豊か
帽子(ぼうし) 品よく小丸(こまる)に返るものが見られる

関連する刀工・ページ

同じ時代・同じ国(古刀・山城)の刀工

山城国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

国俊(来)は、刀剣要覧の位列で「古刀・最上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」と位置づけられている古刀の刀工です。山城国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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