摂津の新刀の刀工一覧|42工を位列で整理

摂津の新刀の刀工一覧
目次

摂津の新刀の刀工、誰がいるの?

摂津国(摂津)は、新刀の時代に刀工が活躍した産地の一つです。この記事では、刀工データベースで国が摂津、時代が新刀と記載されている42工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。

結論:摂津の新刀の刀工は42工。うち2工が作位の最上位です

データベースに載る42工のうち、業物位列にも載る刀工は26工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階(第1段階)にある刀工は2工です。個別の解説ページがある刀工は8工です。

摂津の新刀の作風の傾向

秀吉の大坂城築城以後、商業都市として栄えた大坂(摂津)に各地から刀工が集まり、「大坂新刀」と呼ばれる一群が形成された。町人など富裕層の需要を背景に、実用一辺倒でなく装飾性・技巧性の高い作風が発展したとされる。

以下は産地全体の一般的な傾向で、個々の刀工によって異なります。

見どころ 傾向
姿(すがた) 新刀全般の傾向として身幅が広く反りが浅い姿とされ、大坂新刀では実用より装飾性が重んじられたと解説される。
地鉄(じがね) 鋼の産地(備前・播磨・出雲)に近い立地もあり、精緻によく詰んだ地鉄の美しさが際立つとされる。冴えた沸が付く「大坂沸」も特徴に挙げられる。
刃文(はもん) 華やかで技巧的な刃文が好まれ、津田助広が創始した濤瀾乱刃のほか、拳形丁子、簾刃などが見られる。焼き出しが細く始まり次第に幅を増す「大坂焼き出し」と、小丸の帽子も特徴とされる。

出典:https://www.touken-world.jp/tips/22784/、https://www.meihaku.jp/ginga-sword/ginga-kawachinokamikunisuke/、https://www.osaka-touken-world.jp/osaka-sword/osaka-shinto/

摂津の新刀の位列の分布

刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、摂津の新刀の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。

位列 第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 計
刀剣要覧 2 5 9 14 6 36
刀工辞典 2 6 7 9 4 28

業物位列では、最上大業物が2工、大業物が3工、良業物が4工、業物が17工です。

解説のある主な刀工

摂津の新刀の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。

井上真改

井上真改(いのうえしんかい)は、江戸時代前期に摂津国大坂(現在の大阪府)で活躍した刀工です。津田越前守助広と並んで「大坂新刀の双璧」と称され、その見事な沸の美しさから「大坂正宗」の異名でも知られる新刀屈指の名工です。

越前守助広

津田越前守助広(つだえちぜんのかみすけひろ)は、江戸時代前期に摂津国大坂(現在の大阪府)で活躍した刀工で、二代目の助広にあたります。大きな波が打ち寄せるような「濤瀾乱れ(とうらんみだれ)」を創始したことで知られ、井上真改と並ぶ「大坂新刀の双璧」とされる名工です。

坂倉言之進照包

二代越後守包貞(えちごのかみ かねさだ)は、江戸時代前期の寛文・延宝ごろに摂津国(大坂)で活動した新刀の刀工です。大坂新刀を代表する名工の一人とされ、業物の位列では大業物に数えられます。

一竿子忠綱

一竿子忠綱(いっかんしただつな)は、江戸時代の元禄期前後に摂津国大坂で活躍した新刀の刀工で、二代目の近江守忠綱にあたります。華やかな刃文と、濃密な刀身彫刻を自ら手がけたことで知られます。

和泉守国貞

初代和泉守国貞(いずみのかみくにさだ)は、江戸時代初期に摂津国大坂で活躍した刀工です。河内守国助(初代)とともに「大坂新刀」の基礎を築いた一人とされます。名工井上真改の父であることから、区別のため「親国貞(おやくにさだ)」と呼ばれます。

近江守助直

近江守助直(おうみのかみすけなお)は、江戸時代前期に大坂と近江で作刀した刀工です。大坂新刀の名工津田越前守助広に学び、助広の没後は津田一門の後継者となりました。助広が得意とした「濤瀾乱(とうらんみだれ)」の刃文を受け継いだ刀工として知られます。

ソボロ助広

ソボロ助広(そぼろすけひろ)は、江戸時代前期に摂津国大坂で活躍した刀工で、大坂新刀を代表する「津田助広」家の初代にあたります。備前一文字派に倣った丁子乱れを得意とし、作位では新刀上々作、切れ味では最上大業物に数えられる名工です。

多々良長幸

多々良長幸(たたらながゆき)は、江戸時代に摂津国大坂で活躍した刀工です。鎌倉時代の備前一文字派を思わせる華やかな大丁子乱れを得意とし、「大坂石堂(いしどう)」と呼ばれる一派を代表する名工として知られています。

摂津の新刀の刀工一覧

刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。名前をクリックすると、各刀工のページを見られます。

刀工 代 業物位列 刀剣要覧 刀工辞典
越前守助広 二代 大業物 新刀・最上作(第1段階) 最上作(第1段階)
井上真改 — 業物 新刀・最上作(第1段階) 最上作(第1段階)
ソボロ助広 初代 最上大業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
多々良長幸 — 最上大業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
坂倉言之進照包 二代 大業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
和泉守国貞 初代 大業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
一竿子忠綱 — 良業物 — 上々作(第2段階)
近江守助直 — 良業物 新刀・上々作(第2段階) 上々作(第2段階)
丹波守吉道(大坂・初代) 初代 良業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
越後守包貞 初代 業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
左陸奥包保 — 業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
河内守国助(初代) 初代 業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
河内守国助(二代) 二代 業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
鬼神丸国重 — 業物 新刀・上作(第3段階) 中上作(第4段階)
右陸奥包保 — 業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
大和守吉道(初代) 初代 業物 新刀・上作(第3段階) 上作(第3段階)
長綱 — — 新刀・上作(第3段階) —
丹波守吉道(大坂・二代) 二代 良業物 新刀・中上作(第4段階) 中上作(第4段階)
河内守国助(三代) 三代 業物 新刀・中上作(第4段階) —
河内守本行 初代 業物 新刀・中上作(第4段階) —
摂津助高 — 業物 新刀・中上作(第4段階) 中上作(第4段階)
越中守包国(初代) 初代 業物 — 中上作(第4段階)
筒井紀充 — 業物 新刀・中上作(第4段階) 中上作(第4段階)
若狭守広政 — 業物 新刀・中上作(第4段階) —
大和守吉道(二代) 二代 業物 新刀・中上作(第4段階) 中上作(第4段階)
摂州国平 — — — 中上作(第4段階)
摂州貞国 — — — 中上作(第4段階)
摂州助宗 — — — 中上作(第4段階)
包永 — — 新刀・中上作(第4段階) —
国広 — — 新刀・中上作(第4段階) —
貞国 — — 新刀・中上作(第4段階) —
助宗 — — 新刀・中上作(第4段階) —
輝政 — — 新刀・中上作(第4段階) —
次包 — — 新刀・中上作(第4段階) —
吉国 — — 新刀・中上作(第4段階) —
相模守國維 — 業物 新刀・中作(第5段階) 中作(第5段階)
文珠包次 — — 新刀・中作(第5段階) 中作(第5段階)
摂州廣義 — — 新刀・中作(第5段階) 中作(第5段階)
摂州忠行(二代) 二代 — 新刀・中作(第5段階) 中作(第5段階)
国義 — — 新刀・中作(第5段階) —
助重 — — 新刀・中作(第5段階) —
摂州助信 — 業物 — —

知っておくべき注意点

1. 国名は、作刀地・出身地・受領名の国名などを含みます。「摂津守」のような受領名の国名と、実際の作刀地とは別のことがあります。国名の現在の都道府県は旧国名一覧で確認できます。

2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。位列の見方は刀工の位列とはで解説しています。

3. 国が記載されていない刀工は、この一覧に含まれていません。資料によって国が書かれていない刀工がいるためです。

まとめ:摂津の新刀の刀工は、位列の高い刀工から知りましょう

摂津の新刀には、42工が位列に載っています。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風、代表作を確認してみてください。

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