長船派の刀工一覧|98工を位列で整理

長船派の刀工一覧
目次

長船派の刀工をまとめて知りたい

長船派には多くの刀工がいて、名前を覚えるのも一苦労です。この記事では、刀工データベースで長船派の刀工と判断できる98工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。流派そのものの解説は長船派とはをご覧ください。

結論:長船派の刀工は98工。うち7工が作位の最上位です

98工のうち、業物位列にも載る刀工は23工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階にある刀工は7工です。個別の解説ページがある刀工は19工です。

長船派の作風の傾向

長船派全体の一般的な傾向です。個々の刀工によって異なります。

見どころ 傾向
姿(すがた) 鎌倉期は腰反りの太刀姿。南北朝期は身幅広く大切先の豪壮な姿も。末備前は反りのやや浅い打刀が多い
地鉄(じがね) 小板目や板目に杢目交じり。映りが立つものが多い
刃文(はもん) 匂出来の丁子乱れが基本。光忠・長光は華やかな丁子、景光は片落ち互の目、兼光は沸の強い作風、末備前は互の目乱れなど
帽子(ぼうし) 長光・真長・景光には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子」が見られるとされる
茎・銘(なかご・めい) 「備前国長船住◯◯」「備州長船◯◯」など、国名・地名入りの長銘や年紀入りの作が多い

長船派の位列の分布

刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、長船派の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。

位列 第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 計
刀剣要覧 0 5 2 5 9 21
刀工辞典 7 14 40 21 3 85

業物位列では、最上大業物が3工、大業物が5工、良業物が14工、業物が1工です。

流派の内訳

解説のある主な刀工

長船派の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。

長船彦兵衛祐定

彦兵衛尉祐定(ひこべえのじょうすけさだ)は、室町時代後期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。明応(1492〜1501年)から永正ごろにかけての作が残り、室町後期の備前刀「末備前(すえびぜん)」の中でも、与三左衛門尉祐定に次ぐ高い評価を受けている祐定です。

次郎左衛門尉勝光

次郎左衛門尉勝光(じろうざえもんのじょうかつみつ)は、室町時代後期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。室町後期の備前刀、いわゆる「末備前(すえびぜん)」を代表する名工の一人で、永正年間(1504〜1521年)ごろの年紀のある作が知られています。

長船兼光

長船兼光(おさふねかねみつ)は、備前国長船で活躍した長船派の刀工です。「兼光」の名は複数の刀工に受け継がれましたが、最も有名なのは南北朝時代に活動した「延文兼光(えんぶんかねみつ)」で、身幅の広い豪壮な大太刀と鋭い切れ味で知られ、最上大業物にも数えられています。

長船長光

長船長光(おさふねながみつ)は、鎌倉時代後期に備前国(現在の岡山県)長船で活躍した刀工です。長船派の祖とされる光忠の子で、長船派を代表する名工として知られます。現存する在銘作が非常に多く、国宝・重要文化財も多数に上ることから、備前伝を学ぶうえで欠かせない刀工です。

長船長義

長船長義(おさふねながよし)は、南北朝時代に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。伝統的な備前の作風に相州風の力強さを加えた「相伝備前(そうでんびぜん)」を代表する名工で、「備前にあって最も備前離れした刀工」とも評されます。「ちょうぎ」と音読みで呼ばれることも多い刀工です。

長船右京亮勝光

右京亮勝光(うきょうのすけかつみつ)は、室町時代中期から後期にかけて備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。応仁・文明のころから活躍し、室町後期の備前刀「末備前(すえびぜん)」が大きく発展するきっかけを作った名工の一人とされます。資料によっては「右京進」と表記されることもあります。

与三左衛門尉祐定

与三左衛門尉祐定(よそうざえもんのじょうすけさだ)は、室町時代後期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。室町後期の備前刀、いわゆる「末備前(すえびぜん)」を代表する名工で、数多い「祐定」の中でも最高の技量を持つ刀工と評価されています。永正年間(1504〜1521年)ごろを中心に作刀しました。

長船源兵衛尉祐定

長船源兵衛尉祐定(おさふねげんべえのじょうすけさだ)は、戦国時代の天文から天正ごろに備前国長船で作刀した刀工です。室町時代後期の備前刀、いわゆる「末備前」を代表する祐定一門の一人で、「源兵衛尉」は祐定を名乗った多くの刀工を区別するための俗名(通称)です。

長船景秀

景秀(かげひで)は、鎌倉時代に備前国長船(現在の岡山県)で活躍した長船派の刀工です。長船派の祖とされる光忠の弟と伝えられ、伊達政宗の愛刀として知られる名物「くろんぼ切」の作者として名を残しています。備前伝の草創期を担った刀工の一人です。

長船元重

長船元重(おさふねもとしげ)は、南北朝時代に備前国長船で活躍した刀工です。長船派の主流である光忠・長光・景光・兼光の系統とは別の「元重系」を代表する刀工で、切れ味の評価では最上大業物、作位でも中古刀上々作とされる実力者です。

長船長重

長船長重(おさふねながしげ)は、鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で作刀した長船派の刀工です。「正宗十哲」の一人に数えられる長義の兄とされ、建武元年(1334年)にあたる「甲戌」の年紀を刻んだ国宝の短刀の作者として知られます。

長船真長

真長(さねなが)は、鎌倉時代に備前国長船(現在の岡山県)で活躍した長船派の刀工です。弘安(1278年〜)から嘉元(〜1306年)頃に活動したとされ、長船派の草創期を支えた名工の一人として、重要文化財を含む多くの太刀を残しています。備前伝を学ぶうえで押さえておきたい刀工です。

長船倫光

長船倫光(おさふねともみつ)は、南北朝時代に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で作刀した長船派の刀工です。大和の刀工「友光」と区別するため、「倫」の字を音読みして「リントモミツ」と呼ばれてきました。日光二荒山神社に伝わる国宝の大太刀の作者として知られます。

長船義光

長船義光(おさふねよしみつ)は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけて備前国長船で作刀した長船派の刀工です。長船派の名工・景光の子で、兼光の弟と伝えられています。

長船盛光

長船盛光(おさふね もりみつ)は、室町時代初期の応永年間(1394〜1428)ごろに備前国長船で活躍した刀工です。康光・師光とともに「応永三光」と呼ばれ、なかでも盛光と康光は応永備前の双璧とされます。修理亮を称した盛光が特に名高く、業物の位列では大業物に数えられています。

長船派の刀工一覧

刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。

刀工 代 業物位列 刀剣要覧 刀工辞典
長船兼光 — 最上大業物 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
長船彦兵衛祐定 — 大業物 古刀・中上作(第5段階) 最上作(第1段階)
与三左衛門尉祐定 — 大業物 古刀・上作(第4段階) 最上作(第1段階)
次郎左衛門尉勝光 — 良業物 — 最上作(第1段階)
長船右京亮勝光 — 良業物 — 最上作(第1段階)
長船長光 — — — 最上作(第1段階)
長船長義 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
長船元重 — 最上大業物 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
長船近景 — — 古刀・中上作(第5段階) 上々作(第2段階)
長船源兵衛尉祐定 — — 古刀・中上作(第5段階) 上々作(第2段階)
長船景秀 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
長船兼重 — — — 上々作(第2段階)
長船守忠 — — — 上々作(第2段階)
長船長重 — — 古刀・上々作(第3段階) 上々作(第2段階)
長船左衛門尉則光 — — — 上々作(第2段階)
長船左京進宗光 — — — 上々作(第2段階)
長船真長 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
長船修理亮勝光 — — — 上々作(第2段階)
長船倫光 — — 古刀・上々作(第3段階) 上々作(第2段階)
長船義光 — — — 上々作(第2段階)
与三左衛門尉祐定(二代) 二代 — — 上々作(第2段階)
長船盛光 — 大業物 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船右衛門尉康光 — 大業物 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
彦兵衛尉忠光(初代) 初代 — — 上作(第3段階)
次郎左衛門尉永光 — — — 上作(第3段階)
九朗左衛門尉在光 — — — 上作(第3段階)
九朗左衛門尉忠光 — — — 上作(第3段階)
長船在光 — — — 上作(第3段階)
長船秀光 — — 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船彦左衛門尉祐定 — — — 上作(第3段階)
長船次郎兵衛尉治光 — — 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船次郎九朗祐定 — — — 上作(第3段階)
長船景安 — — — 上作(第3段階)
長船景依 — — — 上作(第3段階)
長船景真 — — — 上作(第3段階)
長船是介 — — — 上作(第3段階)
長船孫右衛門尉清光 — — — 上作(第3段階)
長船政光 — — — 上作(第3段階)
長船将長 — — — 上作(第3段階)
長船守長 — — — 上作(第3段階)
長船守重 — — — 上作(第3段階)
長船師光 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
長船基近 — — — 上作(第3段階)
長船基光 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
長船長守 — — — 上作(第3段階)
長船信光 — — — 上作(第3段階)
長船法光 — — — 上作(第3段階)
長船重光 — — — 上作(第3段階)
長船重真 — — — 上作(第3段階)
長船新十朗祐定 — — — 上作(第3段階)
長船修理亮忠光 — — — 上作(第3段階)
長船助村 — — — 上作(第3段階)
長船助吉 — — — 上作(第3段階)
長船経家 — — — 上作(第3段階)
長船貫光 — — — 上作(第3段階)
長船安清 — — — 上作(第3段階)
長船義景 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
長船賀光 — — 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船与三左衛門尉祐光 — — — 上作(第3段階)
長船幸光 — — — 上作(第3段階)
修理亮盛光 — — — 上作(第3段階)
長船盛景 — 良業物 — 中上作(第4段階)
長船十朗左衛門尉春光 — 業物 古刀・中上作(第5段階) 中上作(第4段階)
五郎左衛門尉則光 — — — 中上作(第4段階)
長船久光 — — — 中上作(第4段階)
長船家助 — — 古刀・中上作(第5段階) 中上作(第4段階)
長船光守 — — — 中上作(第4段階)
長船盛重 — — — 中上作(第4段階)
長船盛助 — — — 中上作(第4段階)
長船師実 — — — 中上作(第4段階)
長船成家 — — — 中上作(第4段階)
長船法光 — — — 中上作(第4段階)
長船重家 — — — 中上作(第4段階)
長船重光 — — — 中上作(第4段階)
長船重吉 — — — 中上作(第4段階)
長船新左衛門尉祐光 — — — 中上作(第4段階)
長船恒弘 — — — 中上作(第4段階)
長船経家 — — — 中上作(第4段階)
長船康永 — — — 中上作(第4段階)
長船義清 — — — 中上作(第4段階)
長船与三左衛門尉清光 — — — 中上作(第4段階)
六郎左衛門尉祐光 — — — 中上作(第4段階)
長船秀景 — — — 中作(第5段階)
長船久光 — — — 中作(第5段階)
長船次光 — — — 中作(第5段階)
長船秀光 二代 最上大業物 — —
藤四郎祐定 — 大業物 — —
長船秀助 — 良業物 — —
長船家助 二代 良業物 — —
長船宗光 — 良業物 — —
長船則光(五郎左衛門) 初代 良業物 — —
長船法光(初代) 初代 良業物 — —
長船法光(二代) 二代 良業物 — —
助右衛門則光 — 良業物 — —
長船祐光 — 良業物 — —
長船忠光(初代) 初代 良業物 — —
長船忠光(二代) 二代 良業物 — —
長船忠光(三代) 三代 良業物 — —

知っておくべき注意点

1. 流派の判定は、データの記載と刀工名によるものです。刀工名に流派名が入っている場合などから判断しており、実際の所属が異なる刀工が含まれる可能性があります。

2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。見方は刀工の位列とはをご覧ください。

まとめ:長船派は、位の高い刀工から知りましょう

長船派の刀工は98工います。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風を確認してみてください。流派の全体像は長船派とは、五箇伝の中での位置づけは備前伝とはで解説しています。

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