光忠(みつただ)の位列と基本情報|刀工データベース

光忠(みつただ)は、刀剣要覧の位列で「古刀・極上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」に位置づけられている刀工です。

光忠とは

光忠(みつただ)は、鎌倉時代中期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した刀工です。長船派の実質的な祖とされ、華やかな丁子乱れの刃文で知られます。備前伝を代表する名工の一人です。

系譜と経歴

生没年はわかっていません。刀剣書『古今銘尽』では宝治・建長年間(1247〜1256年ごろ)の人とされています。吉井川流域で活動した備前の刀工群のうち、長船に住んだ一派の中心人物で、その後の長光、景光へと続く長船派の礎を築きました。

作風の特徴

項目 特徴
姿 腰反りが高く、重ねが厚く身幅の広い豪壮な姿。切先は猪首切先
地鉄 小板目肌がよく詰み、細かな地沸がつき、乱れ映りが鮮やか
刃文 互の目丁子乱れが基本。蛙子丁子や重花丁子を交えた豪華なものから、古備前風の直刃に小乱れのものまで作域が広い

「映り」とは、刃文と鎬筋の間の地に現れる白っぽい影のような模様で、備前物を見分ける大切な手がかりです。

代表作

  • 国宝「太刀 銘 光忠」(徳川美術館)
  • 国宝 名物「生駒光忠」(永青文庫)
  • 国宝 金象嵌銘光忠(個人蔵)

このほか、東京国立博物館などに重要文化財の太刀が伝わります。

織田信長は光忠の作を20数振り集めたと伝わり、特に三好実休が戦死の際に帯びていた「実休光忠」を愛蔵したという逸話があります。

鑑賞・購入のポイント

  • 光忠は人気が高いため、後世の偽銘も少なくないと考えられます。鑑定書の有無を必ず確認しましょう。
  • 華やかな丁子乱れは長船派に共通する要素なので、姿(猪首切先・高い腰反り)など時代の特徴とあわせて見ることが大切です。

基本情報

刀工名 光忠
読み みつただ
時代 古刀
国 備前
代 —

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・極上作 第22版(古刀の部・一位)
刀工辞典の位列 古刀・最上作 —

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・極上作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)
  • 刀工辞典の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された615工のうちの一人で、5段階中、上から1番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです(最上作〜中作の5段階)。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

関連する刀工・ページ

同じ時代・同じ国(古刀・備前)の刀工

備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

光忠は、刀剣要覧の位列で「古刀・極上作」、刀工辞典の位列で「古刀・最上作」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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