雲生(うんしょう)の位列と基本情報|刀工データベース

雲生(うんしょう)は、刀剣要覧の位列で「古刀・最上作」に位置づけられている刀工です。

雲生とは

雲生(うんしょう)は、鎌倉時代後期から南北朝時代初期にかけて、備前国津高郡宇甘(うかい、現在の岡山県)で作刀した刀工です。名前に「雲」の字を用いる刀工が多いことから「雲類(うんるい)」とも呼ばれる鵜飼派(宇甘派)の祖とされています。嘉元2年(1304)に61歳と刻んだ作があり、そこから寛元2年(1244)頃の生まれと推定されています。

系譜と経歴

雲生は鵜飼派の祖とされ、同派には雲次、雲重などの刀工がいます。雲生と雲次の関係については研究者の間でも議論があり、兄弟とみる説のほか、活動時期の比較から雲次を雲生の子とみる説もあります。

作風の特徴

雲生の作は、備前の刀工でありながら長船派や福岡一文字派といった主流の備前伝とは趣が異なり、京都の来派を思わせる山城伝風の作が多いことで知られています。

項目 特徴
姿 細身で、京反りと呼ばれる京風の姿
地鉄 指で押したような黒く澄んだ肌。隣国・備中の青江派の地鉄に似るともいわれる
刃文 直刃に小乱れを交えるものが多い
帽子 小丸で京風
銘 「雲生」「備前国住雲生」「備前国宇甘郷住人雲生」など

代表作

2020年時点で、在銘作5口と無銘の伝来作1口が重要文化財に指定されているとされます。代表的なものに、東京国立博物館が所蔵する重要文化財「太刀 銘雲生」(刃長79.1cm)があり、製作当初の姿をよく残す大太刀で、刃こぼれの跡から実際に使われたこともうかがえる一口です。

鑑賞・購入のポイント

  • 備前物でありながら京風の姿と直刃調の刃文をもつため、一見すると山城物と見間違えることもあります。この「備前らしくなさ」が鵜飼派を見分ける手がかりになります。
  • 雲生・雲次・雲重は作風が近いため、銘と鑑定書で確認するのが確実です。
  • 在銘作は貴重なため、偽銘の可能性にも注意しましょう。

基本情報

刀工名 雲生
読み うんしょう
時代 古刀
国 備前
代 —

位列

位列 位 備考
刀剣要覧の位列 古刀・最上作 第22版(古刀の部・二位)

位列から見る刀剣界での立ち位置

  • 刀剣要覧の位列:「古刀・最上作」——古刀の部に掲載された181工のうちの一人で、5段階中、上から2番目の位です。刀工の技量・出来(作位)を示す格付けです。古刀・新刀・新々刀ごとに段階が分かれています。(一覧を見る)

位列は資料ごとに評価の基準が異なります。見方は刀工の位列とはで解説しています。

生きた時代と歴史的背景

古刀(〜慶長年間)

古刀とは、一般に慶長年間(1596年〜)より前に作られた日本刀を指します。平安時代後期から安土桃山時代にあたり、武士の世の中で日本刀が実戦の武器として発達し、大和・山城・備前・相州・美濃の五箇伝の作風が生まれた時代です。詳しくは古刀・新刀・新々刀・現代刀の違いをご覧ください。

備前伝(五箇伝)の傾向

備前伝は五箇伝の一つです。傾向の詳細は備前伝とはで解説しています。

見どころ 傾向
姿(すがた) 区(まち)の近く、刀身の手元寄りから反る「腰反り(こしぞり)」が多い
地鉄(じがね) 板目肌に杢目(もくめ)が交じる。地に白い影のような「映り」、とくに「乱れ映り」が立つものが多い
刃文(はもん) 丁子の実を並べたような華やかな丁子乱れが代表的。匂(におい)を主体とした刃文が多い
帽子(ぼうし) 長船派の長光・景光・真長には、横手の上で乱れて小丸に返る「三作帽子(さんさくぼうし)」が見られるとされる

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同じ時代・同じ国(古刀・備前)の刀工

備前国が現在のどの都道府県にあたるかは旧国名一覧で確認できます。

まとめ

雲生は、刀剣要覧の位列で「古刀・最上作」と位置づけられている古刀の刀工です。備前国の刀工とされます。位列は刀工への評価であり、一振りごとの出来や真贋を保証するものではありません。実際の刀を見るときは、姿・地鉄・刃文を自分の目で確かめることが大切です。鑑賞のポイントは日本刀の鑑賞方法で解説しています。

出典

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