備前の古刀の刀工一覧|95工を位列で整理

備前の古刀の刀工一覧
目次

備前の古刀の刀工、誰がいるの?

備前国(備前)は、古刀の時代に刀工が活躍した産地の一つです。この記事では、刀工データベースで国が備前、時代が古刀と記載されている95工を、位列の評価の高い順に一覧にしました。

結論:備前の古刀の刀工は95工。うち23工が作位の最上位です

データベースに載る95工のうち、業物位列にも載る刀工は23工、刀剣要覧または刀工辞典で最上位の段階(第1段階)にある刀工は23工です。個別の解説ページがある刀工は38工です。

備前の古刀の位列の分布

刀剣要覧・刀工辞典のそれぞれで、備前の古刀の刀工が何段階目の位にいるかを数えました(第1段階が最上位)。

位列 第1段階 第2段階 第3段階 第4段階 第5段階 計
刀剣要覧 10 16 7 8 21 62
刀工辞典 22 26 8 3 1 60

業物位列では、最上大業物が3工、大業物が5工、良業物が14工、業物が1工です。

流派の内訳

解説のある主な刀工

備前の古刀の刀工のうち、個別の解説ページがある刀工の概要です。詳しくは各ページをご覧ください。

備前光忠

光忠(みつただ)は、鎌倉時代中期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した刀工です。長船派の実質的な祖とされ、華やかな丁子乱れの刃文で知られます。備前伝を代表する名工の一人です。

備前三郎国宗

国宗(くにむね)は、鎌倉時代に備前国(現在の岡山県)で活躍した刀工で、通称を「備前三郎(びぜんさぶろう)」といいます。華やかな丁子乱れを得意とした備前伝の名工であり、のちに鎌倉へ下って「鎌倉鍛冶」の草分けとなったことから、相州伝の成立にも関わった人物とされています。

畠田守家

畠田守家(はたけだもりいえ)は、鎌倉時代中期に備前国(現在の岡山県)で活躍した刀工です。長船に隣接する畠田(はたけだ)の地に住み、「畠田派」の実質的な祖とされます。長船派の祖・光忠と並ぶ華やかな丁子乱れの名手として知られています。

長船彦兵衛祐定

彦兵衛尉祐定(ひこべえのじょうすけさだ)は、室町時代後期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。明応(1492〜1501年)から永正ごろにかけての作が残り、室町後期の備前刀「末備前(すえびぜん)」の中でも、与三左衛門尉祐定に次ぐ高い評価を受けている祐定です。

一文字則宗

一文字則宗(いちもんじのりむね)は、鎌倉時代初期に備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡)で活躍した刀工です。後鳥羽上皇の御番鍛冶に選ばれた名工で、のちに多くの名工を輩出する「福岡一文字派」の祖とされています。国宝の太刀を遺し、古一文字を代表する存在です。

一文字助宗

一文字助宗(いちもんじすけむね)は、鎌倉時代初期に備前国福岡(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した福岡一文字派の刀工です。一文字派の祖とされる則宗とともに後鳥羽上皇の御番鍛冶に選ばれた名工で、古一文字を代表する一人です。

次郎左衛門尉勝光

次郎左衛門尉勝光(じろうざえもんのじょうかつみつ)は、室町時代後期に備前国長船(現在の岡山県瀬戸内市)で活躍した長船派の刀工です。室町後期の備前刀、いわゆる「末備前(すえびぜん)」を代表する名工の一人で、永正年間(1504〜1521年)ごろの年紀のある作が知られています。

古備前包平

古備前包平(こびぜんかねひら)は、平安時代後期に備前国(現在の岡山県東南部)で活躍した古備前派の刀工です。日本刀の最高傑作の一つともいわれる国宝「大包平(おおかねひら)」の作者として知られ、古備前派の初期を代表する名工です。

古備前正恒

古備前正恒(こびぜんまさつね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期ごろに備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。古備前派の祖と伝わる友成と並び、一派の「双璧」と称される名工で、精緻で美しい地鉄に定評があります。

古備前信房

古備前信房(こびぜんのぶふさ)は、平安時代末期ごろに備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。元暦(1184〜1185年)ごろの刀工とされ、酒井家に伝わった国宝の太刀「銘信房作」で知られます。古調で品のある作風が魅力の名工です。

古備前助秀

古備前助秀(こびぜんすけひで)は、鎌倉時代初期に備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。建暦(1211年)ごろに活躍したと考えられており、現存作はきわめて少ないものの、古備前物の中でも華やかで見どころの多い作風で知られます。

古備前助包

古備前助包(こびぜんすけかね)は、平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて備前国(現在の岡山県)で活躍した古備前派の刀工です。現存作は少ないものの、国宝1口と重要文化財3口が指定されており、古備前派を代表する名工の一人に数えられます。

古備前高平

高平(たかひら)は、平安時代に備前国(現在の岡山県)で活躍したと伝わる古備前派の刀工です。永延(987〜989)頃の人とされ、同じ古備前派の包平・助平とともに「三平(さんぴら)」と並び称されてきました。備前伝の最初期を代表する名工の一人ですが、その実像には謎が多く残されています。生没年はわかっていません。

古備前遠近

古備前遠近(こびぜんとおちか)は、備前国(現在の岡山県)の古備前派に数えられる刀工で、鎌倉時代中期ごろに活躍したとされます。古備前派の中では時代が下る刀工で、華やかな蛙子丁子(かわずこちょうじ)の刃文を焼き、のちの長船派や畠田派につながる作風を示した点で注目される存在です。

古備前友成

古備前友成(こびぜんともなり)は、平安時代に備前国(現在の岡山県東南部)で活躍した古備前派の刀工です。古備前派の祖とも伝えられる最古級の名工で、国宝・重要文化財に指定された太刀を数多く遺しています。平家ゆかりの厳島神社に伝わる太刀の作者としても知られています。

備前の古刀の刀工一覧

刀剣要覧・刀工辞典の作位が高い順(同じ段階なら業物位列の高い順)に並べています。名前をクリックすると、各刀工のページを見られます。

刀工 代 業物位列 刀剣要覧 刀工辞典
長船兼光 — 最上大業物 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
長船彦兵衛祐定 — 大業物 古刀・中上作(第5段階) 最上作(第1段階)
与三左衛門尉祐定 — 大業物 古刀・上作(第4段階) 最上作(第1段階)
次郎左衛門尉勝光 — 良業物 — 最上作(第1段階)
長船右京亮勝光 — 良業物 — 最上作(第1段階)
備前光忠 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
長光(順慶) — — 古刀・極上作(第1段階) —
備前三郎国宗 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
畠田守家 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
一文字則宗 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
一文字助房 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
一文字助宗 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
古備前包平 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
古備前正恒 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
古備前信房 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
古備前助秀 — — — 最上作(第1段階)
古備前助平 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
古備前助包 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
古備前高平 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
古備前遠近 — — — 最上作(第1段階)
古備前友成 — — 古刀・極上作(第1段階) 最上作(第1段階)
長船長義 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
左兵衛尉景光 — — 古刀・最上作(第2段階) 最上作(第1段階)
長船元重 — 最上大業物 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
備前次郎国貞 — — — 上々作(第2段階)
備前国真 — — — 上々作(第2段階)
真守 — — 古刀・最上作(第2段階) —
備前四郎国安 — — — 上々作(第2段階)
雲次 — — 古刀・最上作(第2段階) —
雲生 — — 古刀・最上作(第2段階) —
一文字吉房 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
一文字吉包 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
古備前近包 — — — 上々作(第2段階)
古備前正恒 — — — 上々作(第2段階)
古備前宗安 — — — 上々作(第2段階)
古備前成包 — — — 上々作(第2段階)
古備前真恒 — — — 上々作(第2段階)
古備前助友 — — — 上々作(第2段階)
古備前友安 — — — 上々作(第2段階)
古備前利恒 — — 古刀・中上作(第5段階) 上々作(第2段階)
古備前恒清 — — — 上々作(第2段階)
古備前恒遠 — — — 上々作(第2段階)
古備前吉包 — — — 上々作(第2段階)
古備前義憲 — — — 上々作(第2段階)
古備前行秀 — — — 上々作(第2段階)
長船近景 — — 古刀・中上作(第5段階) 上々作(第2段階)
長船源兵衛尉祐定 — — 古刀・中上作(第5段階) 上々作(第2段階)
長船景秀 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
長船長重 — — 古刀・上々作(第3段階) 上々作(第2段階)
長船真長 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
長船倫光 — — 古刀・上々作(第3段階) 上々作(第2段階)
左近将監長光 — — 古刀・最上作(第2段階) 上々作(第2段階)
長船盛光 — 大業物 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船右衛門尉康光 — 大業物 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
兼長 — — 古刀・上々作(第3段階) —
国盛 — — 古刀・上々作(第3段階) —
助茂 — — 古刀・上々作(第3段階) —
助吉 — — 古刀・上々作(第3段階) —
為則(正和) — — 古刀・上々作(第3段階) —
長船秀光 — — 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船次郎兵衛尉治光 — — 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船師光 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
長船基光 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
長船義景 — — 古刀・上作(第4段階) 上作(第3段階)
長船賀光 — — 古刀・中上作(第5段階) 上作(第3段階)
長船盛景 — 良業物 — 中上作(第4段階)
長船十朗左衛門尉春光 — 業物 古刀・中上作(第5段階) 中上作(第4段階)
師景 — — 古刀・上作(第4段階) —
重綱 — — 古刀・上作(第4段階) —
祐光(寛正) — — 古刀・上作(第4段階) —
長船家助 — — 古刀・中上作(第5段階) 中上作(第4段階)
景則(応永) — — 古刀・中上作(第5段階) —
清光(天文) — — 古刀・中上作(第5段階) —
清光(永禄) — — 古刀・中上作(第5段階) —
盛則(応永) — — 古刀・中上作(第5段階) —
永則(永享) — — 古刀・中上作(第5段階) —
則光(応永) — — 古刀・中上作(第5段階) —
実光(応永) — — 古刀・中上作(第5段階) —
忠光 — — 古刀・中上作(第5段階) —
利光(至徳) — — 古刀・中上作(第5段階) —
盛重(大宮) — — 古刀・中上作(第5段階) —
吉井清則 — — 古刀・中上作(第5段階) 中作(第5段階)
長船秀光 二代 最上大業物 — —
藤四郎祐定 — 大業物 — —
長船秀助 — 良業物 — —
長船家助 二代 良業物 — —
長船宗光 — 良業物 — —
長船則光(五郎左衛門) 初代 良業物 — —
長船法光(初代) 初代 良業物 — —
長船法光(二代) 二代 良業物 — —
助右衛門則光 — 良業物 — —
長船祐光 — 良業物 — —
長船忠光(初代) 初代 良業物 — —
長船忠光(二代) 二代 良業物 — —
長船忠光(三代) 三代 良業物 — —

知っておくべき注意点

1. 国名は、作刀地・出身地・受領名の国名などを含みます。「備前守」のような受領名の国名と、実際の作刀地とは別のことがあります。国名の現在の都道府県は旧国名一覧で確認できます。

2. 位列は刀工への評価で、一振りの評価ではありません。位列の見方は刀工の位列とはで解説しています。

3. 国が記載されていない刀工は、この一覧に含まれていません。資料によって国が書かれていない刀工がいるためです。

まとめ:備前の古刀の刀工は、位列の高い刀工から知りましょう

備前の古刀には、95工が位列に載っています。まずは位の高い刀工のページから、系譜や作風、代表作を確認してみてください。

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